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ノルウェー中銀は据え置き、スウェーデン中銀は利下げへ!?

2025/01/24 07:17

【ポイント】
・ノルウェー中銀は据え置き、3月利下げを予告
・スウェーデン中銀は利下げへ、ただし打ち止め接近!?
・両国金融政策の差は早晩、為替中立要因に?
・引き続き原油価格の動向にも要注意

ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は23日、政策金利を4.50%に据え置きました。23年12月に0.25%の利上げを実施してから、政策金利の水準を維持しています。

声明では、「インフレを目標近辺で維持するためには抑制的な金融政策が依然として必要だが、金融政策を緩和するタイミングはまもなく近づいてくると判断している」とされました。その上で、バーチェ総裁の「政策金利は3月に引き下げられる可能性が高い」とのコメントが引用されました。もっとも、バーチェ総裁は会見で、「あくまで予測であって約束ではない」と釘を刺しました。

先行きについては不確実性が大きいとして、貿易障壁の拡大リスクへの懸念が表明されました。高率の関税が世界の経済成長の重石になる可能性は高いが、ノルウェーの(輸入)物価にどのような影響が出るかは不透明だと付け加えられました。

ノルウェーCPI

23日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は3月での利下げを8割程度、さらに6月までの追加利下げを7割強の確率で織り込んでいます。

他方、リクスバンク(スウェーデン中銀)は29日の会合で0.25%利下げして政策金利を2.25%に引き下げるとの見方が有力です。ただし、政策金利は中立水準に接近しつつあると考えられ、追加利下げの余地はあまり大きくないかもしれません。

ノルウェーとスウェーデンの政策金利

したがって、目先的にはスウェーデンとノルウェーの政策金利差(前者<後者)は一段と拡大する可能性が高いものの、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(NOK/SEK)のプラス材料となってきた金利差(の予測)は遠からず中立~マイナス材料となるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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