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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※1月14日更新

2025/01/14 11:51

宮田レポート_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,000~43,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~20,200

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~160.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~110.895



[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
2025年、日経平均はインターミディエイト級第(5)波の上昇によって最高値を更新するでしょう。そのターゲットは[4万3000円-4万5000円]です。

この第(5)波上昇を以て、5年間にわたる強気相場(プライマリー第➂波)は完成し(『黄金の3年間』の完結)、以降はプライマリー第➃波による停滞局面に移るとみています。

もっとも、24年7月以来のインターミディエイト級第(4)波の調整はまだ続いているようです。これによれば第(5)波上昇が始まる前に、日経平均は一度大きく下押しする可能性があります


[予想PER別の日経平均水準]

日経平均予想EPSは1月10日時点で2496円。昨年10月5日に付けた過去最高値2514円に近づいています。高値更新なるか、今後の動向が大いに注目されます。

【時間足 エリオット波動分析】
1月14日前場に、日経平均は昨年8月からのアセンディング・トライアングルという弱気パターンから下放れはじめ、さらには当面の強気シナリオ維持のために重要なサポートレベル(38,355円)※をも下抜きました。

この動きにより、31,156円を第(4)波の終点とする見方は大きく後退しました。
第(4)波は依然続いており、40,398円(12/27高値)からは第(4)波中C波の下落とみることができます

当面は24年10月からのレンジ相場下限である、37,650~37,800円への下値試しとなりそうです。

さらに今後は24年9月安値の35,247円を一時的に下回る可能性があります。つまり、昨年8月一番底に次ぐ二番底を付ける展開です。

そのような下押しを経て日経平均は、最高値更新へ向けた上昇トレンドを取り戻すでしょう。

※これまでの38,555円という表示は38,355円の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
NYダウは、22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波を45,073ドル(12/4高値)で完成し、(C)波の下落局面に突入した可能性が高い、とみています。それは先々、22年10月以降で一度もなかった大きなスケールの調整に発展していくでしょう。

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、あるいはより大きな下落スケールになると思われます。

当面の下値ターゲットとして有力な水準は24年4月安値(37,611ドル)です。これは[エンディング・ダイアゴナル]開始点の水準のことで、ここまで下げるとNYダウの高値からの下げ率は16.5%となります。

【時間足 エリオット波動分析】 
24年12月4日高値・45,073ドルを起点とする、最初の下げ波動(マルi波)は、42,146ドル(24/12/20高値)で終わりました。マルi波の下げ幅は2927ドル、下げ率は6.49%でした。

43,373ドル(12/26高値)からは、下降マルiii波が進行中とみられます。1月13日には一時41,844ドルまで下げ─この時点で高値からの下げ幅は3200ドル余りに広がりました─24年11月安値・41,647ドルが視野に入ってきました。もっともこの日は358ドル高と大幅反発。採用銘柄のユナイテッド・ヘルス(3.9%高)が全体をけん引しました。

目先的に42,180ドルを下抜くことをきっかけに、NYダウの下落基調は再び強まりそうです
一方、目先リバウンド継続の場合は、マルii波のパターンは「フラット」であり、43,373ドルを試す展開となりそうです。

いずれにしても、ひとたびマルiii波がスタートすれば、その下落スケールはマルi波を凌駕するでしょう。1月20日から始まる「「トランプ政権2.0」は、株安の洗礼をいきなり受ける可能性があります



[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来の上昇は、➃-(B)波による上昇とカウントされます。それは[不規則天井(イレギュラー・トップ)]であり、パターンは[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]です。

プリファード(優先)カウント
20,204(24/12/16高値)を以て➃-(B)波は完成し、そこから(C)波による下落に入った可能性があります。
(C)波は(A)波(21年11月~22年10月、高値から37%調整)と同等か、それ以上のスケールの下げになるでしょう。

オルタナティブ(代替)カウント
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わったか、終わりつつあります。
第➄波未完成であるなら、大きな調整局面を迎える前に、ナスダックは最終的な天井を付けるでしょう。

【時間足 エリオット波動分析】
20,007(1/6高値)以来、マルiii波による下落局面が進行中とみられます。

1月13日安値は18,831ですが、この時点でマルiii波の下落スケールは、マルi波(下げ幅1036ポイント、下げ率5.13%)を超えました。当面の下値ターゲットは、11月6日のギャップを埋める水準[18,449](上チャート破線の水準)です。この近くには、フィボナッチ比率からの節目である[18,331](マルiii波の下げ幅がマルi波の1.618倍)が控えます。

【オルタナティブ・カウント】
24年8月安値(15,708)以来の上昇は第(5)波です。この上昇トレンドは、五波動構成(1-2-3-4-5)であり、足元の安値から第5波の上昇が始まったか、始まりつつあります。
この第5波によってナスダックは、[20,400-21,300]へ上昇する可能性があります。なおこの波動カウントは、現行の下降波動が、昨年8月22日高値(18,017)とオーバーラップした時点で消滅します。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。なお24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
➀の水準は135.655円(1月)に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は116.030円(1月)です。

なお足元水準は、2011年からの上昇チャネル上限を上回っていますが、このようにドル/円が長期トレンドから上方を逸脱するのは今回3回目です。過去2回のケースでは(円買い介入によって)極端な円安はまもなく修正されており、今回も同様の動きとなるかに注目です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)になるでしょう。

1月10日にドル/円は一時158.825円まで上昇する場面がありました。160円打診も視野に入る状況ですが、ⓑ波リバウンドはいつ終わってもおかしくありません。24年7月高値(161.938円)に次ぐ「二番天井」は近づいており、ⓒ波のドル安・円高が始まると予想します。

24年7月高値を上抜いたときの考え方
メインシナリオ上、24年7月高値(161.938円)を上抜くことはない、とみています。しかし見通しと異なり、161.938円を一時的にも上抜く場合には、「8年サイクルの延長」の可能性が考慮されます。
8年サイクルは、8年±16カ月(80カ月~112カ月が本来の期間であり、今回のように15年6月から始まった8年サイクルは、本来は24年10月までに完結するべきものです(この点からも24年7月は8年サイクルに相応しいものです)。しかし161.938円を上抜くと─イレギュラーではありますが─8年サイクルの期間は10年(120カ月)まで延長されることでしょう。つまり8年サイクル高値を付けるのは、25年半ばまでのどこか、と想定されます。

【日足 エリオット波動分析】 
141.630円(8/5)より、ⓑ波「エクスパンディッド・フラット」が展開しています。
139.565円(9/16)からのⓑ波-(c)波によるリバウンドは目先的にも終了し、ドル安円高基調が再開する見込みです。25年には139.565円(9/16)を大きく下抜くとみています。

金利差からのドル/円推計値

このところ米10年長期金利の上げが目立ちますが、日本国債10年金利(JGB10年)も連れ高しています。足元、JGB10年は一時1.240%と2011年4月以来の水準へ上昇していますが、それは遠からず1.300%を試し、さらには1.515%-1.615%へ一段と上昇するかもしれません。この見方通りなら、米長期金利がさらに上昇しても日米金利差は広がらず、おのずとドル/円の上値も限られましょう。
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[150.561円]です。

投機筋が5週ぶりに円売り持ちに転じる(2024年12月31日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)は前週の円買い持ち(1.83億ドル)から、6.71億ドルの円売り持ちに転じました。円売り持ちへ転じるのは5週ぶりです。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
1月13日にドル指数は一時110.176まで上昇し、2年2カ月ぶりドル高となりました。
節目の109.533を上回ったことにより短期的なドル上昇余地が広がりました。フィボナッチ比率による次の節目は[110.311][110.895]です。

[110.311]…24年9月起点のⓒ波において、第(iii)波までの高さと第(iv)波の高さが、1:0.618になる水準
[110.895]…B波-ⓐ波とB波-ⓒ波が、上昇幅において1:1.382になる水準

直近高値は節目に接近しています。ドル高はいつ終わってもおかしくありません。

22年9月~23年7月のA波において、ドルは10カ月で13.2%減価しました。このA波の期間と下落率は、C波を考える上で参考にすべきでしょう。

筆者はドル指数が今年中に、23年安値[99.578]を大きく下回る可能性をみています。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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