ユーロ圏CPI、米ISM、JOLTS、欧米金融政策
2025/01/08 08:10
【ポイント】
・米ISMやJOLTSは米景気の堅調を示唆
・ユーロ圏CPIはインフレの改善に足踏み
・市場は25年中に、FRBが0.25%×1.5回、ECBが同4回の利下げを織り込む
米国の昨年12月のISM非製造業指数や同11月のJOLTS(労働動態調査)を受けて、米長期金利(10年物国債利回り)が大幅に上昇し(※)、米ドルは堅調に推移しました。
※米長期金利は前日4.63%⇒4.69%に上昇。昨年4月25日に一時つけた4.74%が視野に入っています。
■7日付け「米ドル/円と米長期金利の行方」をご覧ください。
米FRBの利下げ観測は後退。7日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が利下げを5割超の確率で織り込むのは、今年5月以降です。また、25年中に2度目の利下げがあるかどうかはほぼ五分五分の確率になりました。
ユーロ圏の昨年12月のCPI(速報)は、総合が前年比2.4%、エネルギーや食料を除くコアが同2.7%となり、市場予想の通りでした。上記OISに基づけば、市場は次回1月30日のECB理事会を含めて25年中に4回の利下げを織り込んでいます。
ユーロ/米ドルは1月2日に約2年ぶりの安値を付けたあと小幅に上昇していましたが、7日には反落しました。
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米国の昨年12月のISM非製造業景況指数は54.1と前月(52.1)から上昇し、6カ月連続で50超を記録しました。3日に発表された同製造業景況指数は49.3と、こちらも前月(48.4)から上昇、50割れが続くなかでも昨年3月以来の高水準となりました。ISM(供給管理協会)によると、12月の非製造業指数の水準が続けば、GDP1.7%の経済成長と整合的、同製造業指数の水準が続けばGDP1.9%と整合的とのこと。速いペースではありませんが、景気は底堅いと言えそうです。

米国の昨年11月のJOLTS(労働動態調査)によれば、求人数は809.8万人と6カ月ぶりに800万人台となりました。また、求人数を失業者数(雇用統計のもの)で割った求人倍率は1.13倍と、わずかながら2カ月連続で上昇しました。雇用創出は一時に比べてペースダウンしつつあるようにもみえますが、顕著に悪化しているわけではなさそうです。

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ユーロ圏の昨年12月のCPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.4%と前月の2.3%から加速。昨年9月の1.8%をボトムにジリジリと上昇しています。エネルギーや食品などを除くコアは同2.7%と4カ月連続で横ばいです。CPI総合は22年10月(10.6%)をピークに、同コアは23年3月(5.7%)をピークにそれぞれ鈍化してきたものの、ここ数カ月は改善が足踏みとなっています。それでも、ECBは域内の景気軟調を背景に慎重に利下げを続ける意向のようです。

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7日のOISに基づけば、欧米金融政策に関して市場が織り込むメインシナリオ(確率5割超)は以下の通り。
FRB「今年5月、12月に各0.25%利下げ(ただし、12月はほぼ五分五分)」
ECB「今年1月、3月、4月、7月に各0.25%利下げ、その後は据え置き」
・米ISMやJOLTSは米景気の堅調を示唆
・ユーロ圏CPIはインフレの改善に足踏み
・市場は25年中に、FRBが0.25%×1.5回、ECBが同4回の利下げを織り込む
米国の昨年12月のISM非製造業指数や同11月のJOLTS(労働動態調査)を受けて、米長期金利(10年物国債利回り)が大幅に上昇し(※)、米ドルは堅調に推移しました。
※米長期金利は前日4.63%⇒4.69%に上昇。昨年4月25日に一時つけた4.74%が視野に入っています。
■7日付け「米ドル/円と米長期金利の行方」をご覧ください。
米FRBの利下げ観測は後退。7日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が利下げを5割超の確率で織り込むのは、今年5月以降です。また、25年中に2度目の利下げがあるかどうかはほぼ五分五分の確率になりました。
ユーロ圏の昨年12月のCPI(速報)は、総合が前年比2.4%、エネルギーや食料を除くコアが同2.7%となり、市場予想の通りでした。上記OISに基づけば、市場は次回1月30日のECB理事会を含めて25年中に4回の利下げを織り込んでいます。
ユーロ/米ドルは1月2日に約2年ぶりの安値を付けたあと小幅に上昇していましたが、7日には反落しました。
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米国の昨年12月のISM非製造業景況指数は54.1と前月(52.1)から上昇し、6カ月連続で50超を記録しました。3日に発表された同製造業景況指数は49.3と、こちらも前月(48.4)から上昇、50割れが続くなかでも昨年3月以来の高水準となりました。ISM(供給管理協会)によると、12月の非製造業指数の水準が続けば、GDP1.7%の経済成長と整合的、同製造業指数の水準が続けばGDP1.9%と整合的とのこと。速いペースではありませんが、景気は底堅いと言えそうです。

米国の昨年11月のJOLTS(労働動態調査)によれば、求人数は809.8万人と6カ月ぶりに800万人台となりました。また、求人数を失業者数(雇用統計のもの)で割った求人倍率は1.13倍と、わずかながら2カ月連続で上昇しました。雇用創出は一時に比べてペースダウンしつつあるようにもみえますが、顕著に悪化しているわけではなさそうです。

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ユーロ圏の昨年12月のCPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.4%と前月の2.3%から加速。昨年9月の1.8%をボトムにジリジリと上昇しています。エネルギーや食品などを除くコアは同2.7%と4カ月連続で横ばいです。CPI総合は22年10月(10.6%)をピークに、同コアは23年3月(5.7%)をピークにそれぞれ鈍化してきたものの、ここ数カ月は改善が足踏みとなっています。それでも、ECBは域内の景気軟調を背景に慎重に利下げを続ける意向のようです。

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7日のOISに基づけば、欧米金融政策に関して市場が織り込むメインシナリオ(確率5割超)は以下の通り。
FRB「今年5月、12月に各0.25%利下げ(ただし、12月はほぼ五分五分)」
ECB「今年1月、3月、4月、7月に各0.25%利下げ、その後は据え置き」

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