豪中銀会合に豪ドルが反応しそう
2024/12/10 09:10
【ポイント】
・RBA(豪中銀)のタカ派的な金融政策スタンスが弱まるか
・CPIで市場のノルウェー金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
9日、欧米時間の外為市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は151.298円、ユーロ/円は159.933円、豪ドル/円は97.734円、NZドル/円は88.919円へと上昇しました。中国共産党は中央政治局常務委員会を開き、25年の金融政策スタンスをこれまでの“穏健(中立的)”から“適度に緩和的”へと変更。25年の財政政策についてもこれまでの“積極的な”から“より積極的な”へと変えました。中国がさらなる金融緩和と財政出動を実施する姿勢を示したことでリスクオン(リスク選好)の動きが市場で強まり、そのことが円の重石となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に発表され、13時30分からブロック総裁が会見します。それらに豪ドルが反応しそうです。
RBAは23年11月に0.25%の利上げを行った後、前回11月の会合まで8回連続で政策金利を4.35%に据え置きました。
ブロックRBA総裁は11月28日の講演で「基調的なインフレ率(CPIトリム平均値)が依然として高過ぎるため、短期的に利下げを検討することはできない」と述べました。政策金利は今回も据え置かれそうです。
RBAの声明やブロック総裁の会見にも注目。特に前回11月会合時の声明で示された以下のようなタカ派的な表現が変化するかどうかに注目です。
・「基調的なインフレ率は依然として高過ぎる」
・「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要がある」
・先行きの金融政策について「何も決定しておらず、何も排除していない(利上げする可能性もある)」、「インフレ率が目標レンジに向かって持続的に鈍化しているとの確信が得られるまで、政策は十分に(景気)抑制的である必要がある」
4日に発表された豪州の7-9月期GDP(国内総生産)が市場予想よりも弱い結果だったことで、市場ではRBAのタカ派的な金融政策スタンスが弱まるとの観測があります。声明やブロック総裁の会見がタカ派的なスタンスは弱まっていないと市場に受け止められる内容になれば、豪ドルが堅調に推移しそう。豪ドル/円や豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わると考えられます。
※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[本日、注目の豪中銀会合!豪ドル/円の相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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本日は、米国の7-9月期の非農業部門労働生産性と単位労働コストとが発表されます(日本時間22:30。いずれも改定値)。市場予想は非農業部門労働生産性が前期比年率1.5%、単位労働コストが同1.5%です。市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。
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ノルウェーの11月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間16:00)。この結果にノルウェークローネ/スウェーデンクローナが反応するかもしれません。
CPIの市場予想は総合指数が前年比2.3%、エネルギーと税を除いたコア指数が同2.8%と、ノルウェー中銀のインフレ目標である2%を引き続き上回るとみられています。
市場では、ノルウェー中銀は早ければ次々回25年1月23日の政策会合で利下げを行うとの観測があります(次回12月19日の会合については政策金利の据え置きを予想)。CPIが市場予想を下回る結果になれば、25年1月会合での利下げ観測が強まるとともに、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナが軟調に推移する可能性があります。
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