豪ドル/NZドルが2カ月ぶり安値、RBAの早期利下げ観測
2024/12/06 09:10
【ポイント】
・米雇用統計で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・カナダ雇用統計で市場のBOC利下げ観測がどう変化するか
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場では、ユーロが堅調に推移。一時、ユーロ/円は159.327円、ユーロ/米ドルは1.05843ドル、ユーロ/英ポンドは0.82959ポンドへと上昇しました。フランスでは、内閣不信任案が可決されたことを受けてバルニエ内閣が総辞職しました。ただ、野党・RN(国民連合)のルペン氏が「今後数週間以内に25年の予算が成立する可能性がある」と述べ、このことがユーロの支援材料となりました。
スウェーデンの11月CPI(消費者物価指数)速報値を受けて、スウェーデンクローナも堅調。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.98192スウェーデンクローナへと下落しました。
※本日6日の『ファンダメ・ポイント』は、[スウェーデンCPIは上振れ、利下げは・・・アリ!?]です。
豪ドルは対NZドルで軟調。豪ドル/NZドルは一時1.09568NZドルへと下落し、10月2日以来およそ2カ月ぶりの安値をつけました。4日に発表された豪州の7-9月期GDP(国内総生産)の弱い結果を受けて、市場ではRBA(豪中銀)の早期の利下げ観測(早ければ25年2月?)が強まっており、このことが豪ドル/NZドルに対する下押し圧力となりました。
RBAは9-10日に政策会合を開きます。市場では、政策金利は据え置かれると予想されているものの、これまでのタカ派的な金融政策スタンスが変化するとの観測があります。RBAはこれまでインフレの上振れリスクを警戒するとともに、先行きの金融政策について「何も決定しておらず、何も排除していない(次の一手は利上げと利下げのどちらもあり得る)」と表明してきました。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の11月雇用統計が発表されます(日本時間22:30)。この結果が材料になりそうです。
雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比20.0万人増、失業率が4.2%です。失業率は10月の4.1%から悪化するものの、非農業部門雇用者数はハリケーンやストの影響を受けて低い伸びだった10月の1.2万人から増加ペースが高まるとみられています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は次回17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%利下げするとの見方が市場では優勢です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む次回FOMCでの確率は、0.25%の利下げが7割程度、政策金利の据え置きが3割程度です。
雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、次回FOMCでの利下げ観測が後退する可能性があります。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円は上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、11月雇用統計が相場動意となりそう!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
***
米国の雇用統計と同じ時間にカナダの11月雇用統計が発表されます。
BOC(カナダ中銀)は11日に政策会合を開きます。市場では会合で利下げすることが決定されると予想されていますが、利下げ幅に関しては市場の見方が分かれているようです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む利下げ幅の確率は、0.25%が6割程度、0.50%が4割程度です。
カナダの雇用統計の市場予想は、失業率が6.6%、雇用者数が前月比2.50万人増です。市場予想と比べて弱い結果になれば、0.50%の利下げ観測が市場で強まるとともに、カナダドル安圧力が加わる可能性があります。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。