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スウェーデンCPIは上振れ、利下げは・・・アリ!?

2024/12/06 07:42

【ポイント】
・スウェーデンの11月CPIは前年比1.9%とやや上振れ
・リクスバンクは11月の大幅利下げに続き、12月も利下げか
・NOK/SEKは11月中旬以来の安値
・注目は10日ノルウェーCPI、19日リクスバンク、ノルウェー銀行の政策会合

スウェーデンの11月CPI速報値は、総合が前年比1.6%(1.6%)、住宅ローン金利変動の影響を除外した基調インフレであるCPIFが1.9%(1.5%)、エネルギーを除くCPIFが2.4%(2.1%)と、いずれも市場予想通りながら前月から上振れしました<( )内は前月実績>。

スウェーデンCPI

スウェーデンのCPIを受けて、スウェーデンクローナは上昇。Bloombergによれば、主要通貨のなかで対米ドルの上昇率トップとなったようです。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(以下、NOK/SEK)は下落し、一時0.98192Sクローナと、11月12日以来の低水準をつけました。

リクスバンク(スウェーデン中銀)は11月7日に0.50%の利下げを決定し、フォワードガイダンスでは「景気や物価の見通しに変化がなければ、12月と25年前半に追加利下げを行う可能性がある」としました。5日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、12月の会合での0.25%利下げは3割弱しか織り込まれていませんが、25年1月までの2回の会合で計0.25%×2回分の利下げがほぼ完全に織り込まれています。市場では12月に利下げするとの見方も根強いようです。

一方、同じくOISに基づけば、ノルウェー銀行(中銀)は12月の利下げ確率が1割強。25年1月で「据え置き」と「利下げ」がほぼ五分五分です。25年5月にかけて(それ以降は予測なし)、リクスバンクとノルウェー銀行の政策金利差は拡大するとみられており、金融政策の差は引き続きNOK/SEKにプラスに作用しそうです。

ノルウェーとスウェーデンの政策金利

目先的には、10日発表のノルウェーの11月CPI、19日の両中銀の政策会合、そして原油価格の動向がNOK/SEKの相場材料となりそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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