米祝日で市場の流動性が低下、値動きの増幅に要注意!
2024/11/28 09:20
【ポイント】
・ドイツCPIでECBの12月利下げ観測が補強されるか
・トランプ次期大統領の発言には要注意
(欧米市場レビュー)
27日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は150.449円、米ドル/カナダドルは1.40044カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.05843ドル、英ポンド/米ドルは1.26888ドル、豪ドル/米ドルは0.64961米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
豪ドル/NZドルは一時1.09875NZドルへと下落し、13日以来2週間ぶりの安値をつけました。RBNZ(NZ中銀)は政策会合を開き、0.50%の利下げを行うことを決定。ただ、0.75%利下げするとの見方も市場の一部にあり、このことがNZドル高材料となりました。
※RBNZの政策会合について詳しくは、27日の『デイリーフラッシュ』[【PM】NZ中銀が利下げしたものの、NZドルは堅調]をご覧ください。
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メキシコ中銀は四半期報告で、「政策金利のさらなる調整が可能になると予想している」と改めて表明。次回12月19日の政策会合での追加利下げを示唆しました。ヒース副総裁は先行きの金融政策について「政策金利を引き下げる余地はあるが、引き続き(景気)抑制的な領域を維持していく」、「今後入手するデータに注意を払いながら、慎重に利下げを進める必要がある」と述べました。
米国のトランプ次期大統領は就任後ただちに「メキシコとカナダから輸入するすべての製品に25%の関税を課し、中国からの輸入品には追加で10%の関税を課す」との考えを示しています。メキシコのシェインバウム大統領は「米国がメキシコに関税を課すなら、メキシコも関税を引き上げるだろう」と述べ、対抗する可能性を示しました。
(本日の相場見通し)
ドイツの11月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間22:00)。CPIの市場予想は、EU(欧州連合)基準が前年比2.6%、国内基準が同2.3%です。
市場では、ECB(欧州中銀)は次回12月12日の理事会で0.25%の利下げを行うと予想されています。ドイツのCPIが市場予想を下回る結果になれば、利下げ観測が補強されるとともに、ユーロが軟調に推移する可能性があります。
トランプ米次期大統領の発言には注意が必要かもしれません。25日(日本時間26日)にはトランプ次期大統領が突然SNSに「メキシコとカナダに25%の関税を課し、中国には10%の追加関税を課す」と投稿したことで、カナダドルやメキシコペソが急落しました。
本日は米国がサンクスギビングデー(感謝祭)の祝日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュース(トランプ次期大統領の発言など)や仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があります。米国の株式市場や債券市場、商品市場は休場です。
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