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【株価指数】主要株価指数は総じて堅調、NYダウが高値更新。日経平均は蚊帳の外!?

2024/11/25 07:00

【ポイント】
・米景気の堅調や次期トランプ政権への期待が米株高要因
・企業決算の低調や地政学リスクが日経平均の重石
・利下げ観測の高まりから先週末のFTSE100は急伸

(先週のレビュー)

米株価指数は総じて堅調。ロシア・ウクライナ戦争の激化によって地政学リスクは高まったものの、11月PMI総合指数などが示唆する景気の堅調、次期トランプ政権の規制緩和などに対する期待などが株価を押し上げました。S&P500ナスダック100は前週の下げから反発、NYダウは最高値を更新して週を終えました。注目されたエヌビディアの決算では、売上高見通しが市場予想の上限に届かず、大型ハイテク株の頭を抑える要因となりました。

日経平均はもみ合い。国内企業の決算が低調で、地政学リスクが意識されたことなどが背景でした。欧州では、ユーロ圏や英国の11月PMI総合指数が50割り込むなど、景況感が一段と悪化。地政学リスクの高まりも欧州経済に影を落としました。ただ、ECBやBOE(英中銀)の利下げ観測が高まったことや欧州通貨安を好感する形で、株価は堅調でした。とりわけ、英国のFTSE100は22日に急伸し、週単位では5週間ぶりの上昇となりました。


(今週の相場材料)

米国では28日が感謝祭で株式市場も休場。翌29日のブラック・フライデーからクリスマス商戦が本格スタートします(週明け12月2日がサイバーマンデー)。11月の小売売上高が発表されるのは12月17日ですが、クリスマス商戦の滑り出しは、クレジットカードの利用額やショッピングモールの客足などの断片的なデータからうかがい知ることができそうです。NRF(全米小売連盟)クリスマス商戦の売り上げ前年比2.5%~3.5%増と予測しています。昨年は3.9%増、コロナショック前の19年までの10年間の平均は3.6%増でした。

米国では、10月個人所得・消費PCEデフレーターはその一部)、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数などが発表されます。それらの内容や上述したクリスマス商戦の滑り出しが12月17-18日のFOMCの見通しに影響を与えそうです。22日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げの確率は4割弱。「据え置き」見通しがやや優勢になっています。

FOMC議事録(11月6-7日開催分)の公表もあります。パウエルFRB議長は、次期トランプ政権の影響を「推測しない、分からない」と公式に発言していますが、何らかの議論があったかもしれません。

財務長官候補にヘッジファドCEOのベッセント氏が指名され、次期トランプ政権の陣容がほぼ固まりました。次期トランプ政権の経済政策がいつどのような形で実現するのか、市場で思惑が巡ることになりそうです。

決算発表では、HP、デルテクノロジーズといったPCメーカー、ベストバイやメーシーズの小売大手、ズームなどがあります。

日本では、11月東京都区部CPIが発表されます。やや強めの10月全国CPIを受けて12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて利上げ観測が少しずつ高まっており、長期金利(10年物国債利回り)もジリジリと上昇してきました。利上げ観測が一段と高まるようなら、米ドル/円に下落圧力が加わり、日経平均の重石となるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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