ロシア・ウクライナを巡る地政学リスクに要注意!?
2024/11/20 08:04
【ポイント】
・米ドル/円は一時153円台前半まで下落も、154円台後半に反発
・地政学リスクで欧州株は軟調、米株は反発したが・・
・カナダCPI上振れで12月利下げは0.25%?
(欧米市場レビュー)
19日の欧米時間の外為市場では、前日に続いて主要通貨が軟調で、資源・新興国通貨が堅調でした。
南アフリカランドは例外的に下落しました。Bloombergによれば、「ランドは新興国通貨のなかでは比較的流動性が高く、投資家のリスクセンチメントを反映しやすい。そのため、ウクライナの対ロシア長距離ミサイル攻撃により地政学リスクが高まったことがランドの下落要因になった」と解説されています。
英国のFTSE100など、欧州株が軟調だったのも、地政学リスクの高まりが背景でしょう。ただ、下げて始まったS&P500やナスダック100が大幅に反発したことで、市場のリスクオフは後退したようです。
米ドル/円もリスクセンチメントの変化を反映して、ロンドン時間に153.284円まで下落しましたが、その後は反発してNY時間に一時154.751円まで上昇しました。
米ドル/カナダドルは続落し、1.39511カナダドルをつけました。カナダの10月CPI(消費者物価指数)がやや上振れたことで(後述)、BOC(カナダ中銀)の12月会合で前回同様に0.50%利下げが決定されるとの観測が後退したことが背景。ただ、引き続き(0.25%の)利下げは確実視されています。
(本日の相場見通し)
ロシア・ウクライナを巡る地政学リスクには引き続き要注意でしょう。ウクライナは米国が供給した長距離ミサイルで初めてロシア領を攻撃した模様です。一方、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用基準を緩和したとされ、同地域の緊張が一段と高まる可能性があります。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の日経平均先物はロンドン時間に一時600円超下落しましたが、米株の反発とともに下げを縮小しており、日本時間20日午前7時現在で65円安まで戻しています。東証での取引開始がどうなるか、要注目でしょう。日経平均が大きく下げれば、リスクオフが強まる可能性があります(円高要因)。
本日は英国の10月CPI(日本時間16:00)や南アフリカの10月CPI(同17:00)が発表されます。
英国CPIの市場予想は前年比2.2%(9月実績1.7%)、食料やエネルギー等を除くコアは同3.1%(同3.2%)。南アフリカCPIの市場予想は前年比3.1%(同3.8%)。CPIの結果次第では為替相場が反応する可能性があります。
*******
カナダの10月CPIは前年比2.0%と、市場予想(1.9%)や前月(1.6%)を上回りました。また、CPIコアにあたる中央値は2.5%(市場予想2.4%、前月2.3%)、同トリムは2.6%(2.4%。2.4%)と、いずれも上振れました。

BOC(カナダ中銀)は10月まで4回連続で利下げし、10月の利下げ幅は0.50%でした。市場では12月も0.50%利下げとの見方もありましたが、10月CPIを受けてその観測はやや後退したようです。
・米ドル/円は一時153円台前半まで下落も、154円台後半に反発
・地政学リスクで欧州株は軟調、米株は反発したが・・
・カナダCPI上振れで12月利下げは0.25%?
(欧米市場レビュー)
19日の欧米時間の外為市場では、前日に続いて主要通貨が軟調で、資源・新興国通貨が堅調でした。
南アフリカランドは例外的に下落しました。Bloombergによれば、「ランドは新興国通貨のなかでは比較的流動性が高く、投資家のリスクセンチメントを反映しやすい。そのため、ウクライナの対ロシア長距離ミサイル攻撃により地政学リスクが高まったことがランドの下落要因になった」と解説されています。
英国のFTSE100など、欧州株が軟調だったのも、地政学リスクの高まりが背景でしょう。ただ、下げて始まったS&P500やナスダック100が大幅に反発したことで、市場のリスクオフは後退したようです。
米ドル/円もリスクセンチメントの変化を反映して、ロンドン時間に153.284円まで下落しましたが、その後は反発してNY時間に一時154.751円まで上昇しました。
米ドル/カナダドルは続落し、1.39511カナダドルをつけました。カナダの10月CPI(消費者物価指数)がやや上振れたことで(後述)、BOC(カナダ中銀)の12月会合で前回同様に0.50%利下げが決定されるとの観測が後退したことが背景。ただ、引き続き(0.25%の)利下げは確実視されています。
(本日の相場見通し)
ロシア・ウクライナを巡る地政学リスクには引き続き要注意でしょう。ウクライナは米国が供給した長距離ミサイルで初めてロシア領を攻撃した模様です。一方、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用基準を緩和したとされ、同地域の緊張が一段と高まる可能性があります。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の日経平均先物はロンドン時間に一時600円超下落しましたが、米株の反発とともに下げを縮小しており、日本時間20日午前7時現在で65円安まで戻しています。東証での取引開始がどうなるか、要注目でしょう。日経平均が大きく下げれば、リスクオフが強まる可能性があります(円高要因)。
本日は英国の10月CPI(日本時間16:00)や南アフリカの10月CPI(同17:00)が発表されます。
英国CPIの市場予想は前年比2.2%(9月実績1.7%)、食料やエネルギー等を除くコアは同3.1%(同3.2%)。南アフリカCPIの市場予想は前年比3.1%(同3.8%)。CPIの結果次第では為替相場が反応する可能性があります。
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カナダの10月CPIは前年比2.0%と、市場予想(1.9%)や前月(1.6%)を上回りました。また、CPIコアにあたる中央値は2.5%(市場予想2.4%、前月2.3%)、同トリムは2.6%(2.4%。2.4%)と、いずれも上振れました。

BOC(カナダ中銀)は10月まで4回連続で利下げし、10月の利下げ幅は0.50%でした。市場では12月も0.50%利下げとの見方もありましたが、10月CPIを受けてその観測はやや後退したようです。
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