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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※11月13日更新

2024/11/13 11:30

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,500~44,600ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~19,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~157.150円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~105.441



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。あるいは、8月から第(5)波による上昇に既に入っているのかもしれません。いずれにせよ日経平均は、来年42,426円を上抜き最高値を更新する可能性が高い、とみています。

中間決算発表ピークにさしかかっていますが、日経平均予想EPSは10月15日の2514円から低下傾向が続きます(11月12日は2432円)。この先、製造業を中心に業績見通しに陰りが生じてくると─その可能性は小さくないと思われます─第(5)波の上値メド4万5000円は引き下げる必要がありそうです。さらに第(5)波の天井は、最短だと2025年2月頃(節分天井)に付けてしまうかもしれません(※)。

(※)トランプ次期大統領が打ち出す関税拡大が実施されれば─トランプ氏は日本製も含めた輸入品に10~20%の一律関税をかけると主張しています─25年以降、日本を含む世界の景気悪化が現実味を帯びてきます。それにより、第(5)波上昇幅は短く、期間的にも長続きしない可能性があります。


【日足 エリオット波動分析】
31,156円(8/5安値)からのリバウンド[第(4)波中B波]は40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。40,257円(10/15高値)を頂点とする[ヘッド・アンド・ショルダーズ]は、戻り高値を付けた可能性を示唆しています。

まもなく日経平均は下値模索を再開して35,247円(9/9安値)を下回るでしょう。それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」になるでしょう

なお「11月にも二番底を付ける」とみていましたが、残り日数を考えると難しくなりました(可能性は残っていますが)。二番底を付けるタイミングは後ずれし、おそらく年末から年明けの時期になりそうです


【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。

[メインシナリオ] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。

39,884円(11/7高値)は、[ヘッド・アンド・ショルダーズ]の右肩トップとみられます。
37,712円(10/28安値)を割れると弱気パターンからの下放れが開始され、C波による下落基調が一段と強まることになりそうです。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。

「二番底」の水準については、フィボナッチ比率から以下の水準に注目できます。

[34,632円]…B波の上昇に対し61.8%押し水準
[33,304円~33,103円]…同76.4%~78.6%押し水準

[サブシナリオ] 第(5)波入り~年内にも高値更新へ
31,156円(8/5安値)以来、第(5)波による強気相場が進行中です。

35,247円(9/9安値)以来の上昇は第(5)波-第3波に相当します。さらに、37,712円(10/24安値)以来の上昇は第(5)波-第3波-マルⅲ波(サード・オブ・サード)に当たり、それは強い上昇となるでしょう。日経平均は、早ければ年内にも42,426円を上回る可能性があります。

[予想PER別の日経平均水準]




[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]により展開しています。38,499ドル(8/5安値)を起点とする上昇は、Y波(ジグザグ)に相当します。

長期的なチャネルラインをみると、[4万6000ドル]付近に重要なチャート節目が存在しています。実際にそこまで上がるかはわかりませんが、さらなる上昇がある場合の目安として注目です。

このY波を終了すると、NYダウは(C)波による下落に入り、それは22年10月以来で最大スケールの調整になるでしょう。

なお今月のマンスリー・フォーカスで、NYダウ、S&P500、各々の長期波動カウントを紹介しています。そちらも併せてご覧ください。


【時間足 エリオット波動分析】 
38,499ドル(8/5安値)から43,325ドル(10/18高値)までは(a)波による上昇、そこから41,647ドル(11/5安値)までの下げは(b)波、そこからは(c)波による上昇とみられます。

(c)波は(a)波と同じように五波構成(ⅰ波~v波)になるでしょう。

11月11日には一時44,486ドルまで上昇し、節目の[44,629ドル]に接近しました。
第i波は終了し、足元、第ⅱ波の調整に入った可能性があります。そうであれば、当面[43,402ドル-42,731ドル]までNYダウは押し目を作り、そこから第ⅲ波による上昇が始まるでしょう

第ⅲ波の節目としては以下があげられます。
[45,244ドル]…22年1月からの(A)波下落と、22年10月からの(B)波上昇が、1:2になる水準

ただし強気見通し継続のためには、米大統領選での結果を受けて生じた11月5日~6日のギャップ(42,258ドル~42,850ドル)を埋めないことが条件です。

仮にギャップが埋められると「トランプ・トレード」終了が証左され、以降より大きな調整に備える必要があります。



[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]を形成し、25年まで続くでしょう。

(プリファード(優先)カウント)
15,708(8/5安値)から、三番目のジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が進行中です。今のところはⓐ波の終盤とみられ、近いうちにⓑ波の調整が起きるでしょう。ⓑ波を完了するとⓒ波の上昇に入りますが、それを以て22年12月を起点とする、(B)波による上昇はすべて完了します。

(オルタナティブ(代替)カウント)
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波は終わりつつあります。
これによれば25年以降ナスダックは、優先カウントよりも深く、長い調整局面を迎えるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)以来、五波構成(ⅰ)~(ⅴ)によるⓐ波の上昇とみられます。
18,083(10/31)安値からは、ⓐ波中第(v)波の上昇とカウントされます。

波動構成からはいつ高値を付けてもおかしくないですが、フィボナッチ比率からは[19,511]という節目があり注目です。

[19,511]…第(ⅰ)波と第(ⅴ)波の上げ幅が、1.0.618になる水準
この節目に11月11日高値(19,366)は近づいており、ピークアウトかに注目です。

ⓐ波完了後はⓑ波による下げに入るでしょう。ⓑ波の下値メドは18,083付近、これはⓐ波のレッサーディグリー第(ⅳ)波安値です。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からはⓍ波の「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
11月中、➀の水準は135.145円に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。11月を通じ、➁の水準は115.520円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。C波の長さはA波と同等か、フィボナッチ比率関係を反映します。

[137.197円]…A波の長さ(24.741円)=C波の長さ
[131.358円]…A波の長さ×1.236=C波の長さ(30.579円) (※)この時点でドル/円は月足サポート➀を明確に下回り、以下の水準を目指す可能性が高まります。

[127.745円]…A波の長さ×1.382=C波の長さ(34.192円)
[121.907円]…A波の長さ×1.618=C波の長さ(40.030円)

23年後半からのパターンが、140円処をネックラインとする『ヘッド・アンド・ショルダーズ(三尊天井)』だとすると、天井パターンにおける右肩トップ示現後、ドル/円は下落に転じるでしょう。さらにはネックライン割れをきっかけに、ドル安・円高の流れが強まると想定されます。

足元のドル/円上昇は、C波中ⓐ波、あるいはC波中マルⅱ波に当たります。いずれのカウントを採用しても、近く始まるドル安円高(ⓒ波or マルⅲ波)は、波3に相応しく、速く・大きなものになるでしょう


【時間足 エリオット波動分析】 
141.630円(8/5)からはⓑ波によるリバウンドであり、そのパターンは「エクスパンディッド・フラット」(a)-(b)-(c)とみられます。139.565円(9/16)からはⓑ-(c)波に相当します。

足元では155円に近づいていますが、この付近には以下の節目があります。
[154.883円]…(c)波の長さが、(a)波の長さの2倍になる水準

155円をクリアし、なおも上昇するのなら156円台後半~157円台前半が視野に入るでしょう。
[156.657円-157.150円]…7月から9月までのドル/円下落に対する76.4%-78.6戻り水準

投機筋は2週連続で円売り持ち
(11月5日時点)IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)は2週連続で円売り持ち。売り持ち高は36.7億ドルに増えました(前週は20.2億ドル)。




[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。Ⓑ波は三波構成(A-B-C)です。

23年7月安値(99.578)からはB波によるリバウンドであり、それは「[フラット](ⓐ-ⓑ-ⓒ)を形成中とみられます。9月安値(100.157)以来のドル高はB-ⓒ波に当たり、それは23年10月高値(107.348)を試し、一時的に上回るかもしれません。もっともドル高は最終局面ですから、仮に23年高値を上抜くことがあってもそれは「ダマシ」シグナルとなりましょう。

9月からのドル高・金利高は当初想定より大きくなっているものの、基本観がドル安ということに変更はありません。遠からず始まるC波によるドル安は、23年安値を大きく下回るでしょう

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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