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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※11月8日更新

2024/11/08 13:00

宮田レポート.pdf

(おしらせ)次回号は11月13日(水)に更新予定です。予めご了承ください。


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~42,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 38,500~44,600ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 18,000~19,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~154.700円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~105.441



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。あるいは、8月から第(5)波による上昇に既に入っているのかもしれません。いずれにせよ日経平均は、来年42,426円を上抜き最高値を更新する可能性が高い、とみています。

日経平均予想EPSは2514円(10/15)をピークに、足元で緩やかな低下傾向となっています。EPS2500円・PER18倍から得られる4万5000円という水準は、有力な25年の日経平均ターゲット候補です。

第(5)波の上昇は、最短で2025年2月、最長の場合2026年12月まで続くとみられます(※)。

(※)トランプ次期大統領が打ち出す関税拡大が実施されれば─トランプ氏は日本製も含めた輸入品に10~20%の一律関税をかけると主張しています─25年以降、日本を含む世界の景気悪化が現実味を帯びてきます。それにより、第(5)波上昇が長続きしない可能性には要注意です


【日足 エリオット波動分析】
11月7日、TOPIXコア30は9月3日~11月1日の三角保ち合いを上放れ、3カ月ぶり高値を付けました。三角保ち合いはb波か4波に形成されます。したがって、コア30の8月安値からの上昇も、日経平均と同じようにリバウンド(a-b-c)とみられます。

日経平均については、31,156円(8/5安値)からのリバウンド[第(4)波中B波]は40,257円(10/15高値)を以て終了した、とみられます。40,257円(10/15高値)を頂点とする[ヘッド・アンド・ショルダーズ]は、戻り高値を付けた可能性を示唆しています。

この見方が正しければ、まもなく日経平均は下値模索を再開し、早ければ11月にも35,247円(9/9安値)を下回るでしょう。それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」になるでしょう


【時間足 エリオット波動分析】
当面の日経平均の見通しは以下の二通りです。

[メインシナリオ] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは40,257円(10/15高値)で終わり、そこからはC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。

39,884円(11/7高値)は、[ヘッド・アンド・ショルダーズ]の右肩トップかもしれません。この見方は、39,417円(10/30高値)を下抜くことによる強められます。

そして37,712円(10/28安値)をも割れると弱気パターンからの下放れが開始され、C波による下落基調は一段と強まることになりそうです。最終的にC波は35,247円(9/9安値)を下回り、8月安値に次ぐ「二番底」を付けるでしょう。

なお「二番底」の水準については、フィボナッチ比率からは以下の水準に注目できます。

[34,632円]…B波の上昇に対し61.8%押し水準
[33,304円~33,103円]…同76.4%~78.6%押し水準

[サブシナリオ] 第(5)波入り~年内にも高値更新へ
31,156円(8/5安値)以来、第(5)波による強気相場が進行中です。

35,247円(9/9安値)以来の上昇は第(5)波-第3波に相当します。さらに、37,712円(10/24安値)以来の上昇は第(5)波-第3波-マルⅲ波(サード・オブ・サード)に当たり、それは強い上昇となるでしょう。日経平均は、早ければ年内にも42,426円を上回る可能性があります。

[予想PER別の日経平均水準]



[NYダウ] 


【日足 エリオット波動分析】 
米大統領選(11/5)でトランプ氏が圧勝したことを受けて、翌6日の米株相場は急騰。NYダウは最高値を更新しました。短期的な弱気見通しが否定されましたので、波動カウントの微調整を行ないました(今月マンスリーにはS&P500の波動カウントを掲載しています)。

22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇(B)波は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]により展開しています。38,499ドル(8/5安値)を起点とする上昇は、Y波(ジグザグ)に相当します。

長期的なチャネルラインをみると、[4万6000ドル]付近に重要なチャート節目が存在しています。実際にそこまで上がるかはわかりませんが、さらなる上昇がある場合の目安として注目です。

このY波を終了すると、NYダウは(C)波による下落に入り、それは22年10月以来で最大スケールの調整になるでしょう。

エヌビディアがダウ銘柄に採用(今後の波乱要因)
11月8日付で、ダウ30銘柄からインテルが外れ、代わりにエヌビディアが採用されます。それはNYダウの変動幅を拡大させ、今後の波乱要因になるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】 
38,499ドル(8/5安値)から43,325ドル(10/18高値)までは(a)波による上昇、そこから41,647ドル(11/5安値)までの下げは(b)波とみられます。

足元の上昇は(c)波に位置付けられ、それは(a)波と同じように五波構成(ⅰ波~v波)になるでしょう。
フィボナッチ比率からの上値メドが以下の通りです。

[44,629ドル]…(a)波と(c)波が、上げ幅において1:0.618になる水準
[45,244ドル]…22年1月からの(A)波下落と、22年10月からの(B)波上昇が、1:2になる水準


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)]を形成し、25年まで続くでしょう。なお今回、波動カウントの微調整を行ないました。

(プリファード(優先)カウント)
15,708(8/5安値)から、三番目のジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が進行中です。今のところはⓐ波の終盤とみられ、近いうちにⓑ波の調整が起きるでしょう。ⓑ波を完了するとⓒ波の上昇に入りますが、それを以て22年12月来の(B)波による上昇はすべて完了します。

(オルタナティブ(代替)カウント)
22年12月安値からの「五波動」による上昇第➄波が、近いうちにすべて終わるという見方です。
これによれば25年以降ナスダックは、優先カウントよりも深く、長い調整局面を迎えるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)以来、五波構成(ⅰ)~(ⅴ)によるⓐ波の上昇とみられます。そして18,083(10/31)安値からは、ⓐ波中第(v)波の上昇と読むことが出来ます。

波動構成からはいつ高値を付けてもおかしくないですが、フィボナッチ比率からは[19,511]という節目があり注目です。

[19,511]…第(ⅰ)波と第(ⅴ)波の上げ幅が、1.0.618になる水準

ⓐ波完了後はⓑ波による下げに入るでしょう。ⓑ波の下値メドは18,083付近、これはⓐ波のレッサーディグリー第(ⅳ)波安値です。


[米ドル/円]


【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からはⓍ波の「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。
11月中、➀の水準は135.145円に位置します。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。11月を通じ、➁の水準は115.520円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。ちなみにC波の長さはA波と同等か、フィボナッチ比率関係を反映します。

[137.197円]…A波の長さ(24.741円)=C波の長さ
[131.358円]…A波の長さ×1.236=C波の長さ(30.579円) (※)この時点でドル/円は月足サポート➀を明確に下回り、以下の水準を目指す可能性が高まります。

[127.745円]…A波の長さ×1.382=C波の長さ(34.192円)
[121.907円]…A波の長さ×1.618=C波の長さ(40.030円)

23年後半からのパターンが、140円処をネックラインとする『ヘッド・アンド・ショルダーズ(三尊天井)』だとすると、天井パターンにおける右肩トップ示現後、ドル/円は下落に転じるでしょう。さらにはネックライン割れをきっかけに、ドル安・円高の流れが強まると想定されます。


【時間足 エリオット波動分析】 
141.630円(8/5)からはⓑ波によるリバウンドであり、そのパターンとして「エクスパンディッド・フラット」(a)-(b)-(c)を想定しています。139.565円(9/16)からはⓑ-(c)波に相当します。

11月8日には一時154.691円を付けましたが、これにより7月からの円高に対し三分の二戻り(154.480円)を達成しました。ⓑ波は終わった可能性があります(この見方は151.216円を下抜くことによって強化されます)。


足元の日米実質金利に基づくと、ドル/円の適正水準は1ドル=145.60円程度です。現在ドル/円は上がり過ぎとみられ、年内にも1ドル=150円を下回る展開があってもおかしくないでしょう。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。Ⓑ波は三波構成(A-B-C)です。

106.130(6/26)以来、C波によるドル安基調が進行中です。このC波は五波構成(マルi~マルv)となります。9月末からのドル反発はC波-マルii波に位置し、それは米長期金利高とリンクしています。

ドル高・金利高は短期的にも終了し、マルⅲ波によるドル安が始まる可能性があります。このマルⅲ波によりドル指数は、23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう

IMM通貨先物の非商業部門による米ドルネットポジション(対主要8通貨)は、2週連続で買い持ちとなりました(10月29日時点)。もう少しドル高が続く場合、23年7月安値(99.578)からのB波は「[フラット]を形成中とみられます。足元のドル高はB-ⓒ波に当たり、それを以てB波終了となります。

いずれにしても、全体としての流れがドル安、という基本観は変わりません。

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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