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【株価指数】日米政治の不透明感が株価の重石に⁉

2024/10/28 08:19

【ポイント】
・与党過半数割れに市場はネガティブに反応?
・米大統領選のトランプ氏優勢は続くか
・注目は、日銀会合、米経済指標、ハイテク決算など

先週(10/21- )のレビュー

主要株価指数は総じて軟調。テスラ(EV)やUPS(米宅配)の好決算などを受けて上昇する場面もありましたが、日米政治の不透明感中東情勢の一段の緊迫化、米長期金利の大幅な上昇などの要因が重石になりました。VIX指数、別名「恐怖指数」が週後半に20前後で推移し、投資家のリスクオフがやや強まっていることを示唆しました。

23日に新規上場(IPO)した東京地下鉄(メトロ)は好発進。株価は一時公開価格から5割近く上昇、時価総額は1兆円を超えました(24-25日は続落)。

米企業の決算では、上述したテスラやUPSが良好だった一方で、テキサス・インスツルメンツ(半導体)やNYCB(地銀)などが不調でした。また、集団食中毒に関連してマクドナルドが大きく下落しました。


今週(10/28- )の注目材料

衆院選での与党過半数割れに市場はどう反応するか。政治の不透明感が強まったことは株価にとってマイナスでしょう。初期反応(日本時間28日午前8時現在)は、「円安・株(先物)安」。

日銀の金融政策決定会合では現状維持との見方が有力。注目は、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」と植田総裁の記者会見。市場では12月に追加利上げとの見方が根強くあるなか、その地ならしが行われるか。逆に金融緩和の継続が示唆されれば、円安・株高要因になるとみられます。仮に円安が一段と進行した場合に本邦当局がどう対応するか、たいへん興味深いところです。

米国では11月5日の大統領選投票が迫るにつれて、トランプ氏がやや優勢とみられる選挙情勢に変化はあるか(Real Clear Politicsによれば、接戦7州全てでトランプ氏がリード、全米支持率でもトランプ氏が逆転)。見切り発車的なトランプ・トレードの巻き戻しがあれば、米株に下落圧力が加わるかもしれません。

11月6-7日の米FOMCに向けた市場の思惑にも要注意。0.25%の利下げがほぼ確実視されています。ただ、GDP、PCE(個人消費支出)デフレーター、雇用統計、ISM製造業景況指数など米経済指標の結果によっては、12月以降の利下げ観測に変化が生じる可能性があります。利下げ観測が後退すれば、9月中旬以降に上昇基調にある長期金利(10年物国債利回り)に一段の上昇圧力が加わり、株価にとってマイナス材料となるかもしれません。

ハイテク7社、いわゆる「マグニフィセント・セブン」のうち、アルファベット(グーグル)、メタ・プラットフォームズ(フェイスブック)、アマゾン・ドット・コム、アップル、マイクロソフトの5社が決算を発表します。このうち、マイクロソフトを除く4社の決算は良好となりそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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