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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※10月4日更新

2024/10/04 10:32

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 39,600~42,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 16,900~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~103.546



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。

中長期タームでの強気見通しは変わりません。来年の日経平均は、第(5)波の上昇によって42,426円を上抜き最高値を更新する可能性が高い、とみています。後述しますが、日経平均予想EPSが初めて2500円台に増えるなど、好調な企業業績は続いており、4万5000円も十分射程内にあります。

ところで第(5)波上昇はいつまで続くでしょうか?
今月のマンスリー(10/3発行)で書いたように(※)、それは最短で2025年2月、最長2026年12月までであり、特に2025年末頃までを、第(5)波による上昇期間として注目しています

【日足 エリオット波動分析】
9月27日に日経平均予想EPSは初めて2500円台(2505.00円)に乗せました。EPS2500円、PER18倍とみれば4万5000円という水準が得られますが、それは25年の日経平均ターゲット候補として要注目です。

31,156円(8/5安値)以来のB波による戻りは、39,829円(9/27高値)を以て終わったとみられます。この高値は、A波下げのほぼ76.4%戻りの水準[39,767円]でした。

以来、C波の下落局面に入ったとみられます。このC波により日経平均は、10月~11月に35,247円(9/9安値)を下回るとみられますが、それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」となるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】
短期的な日経平均の見方には、以下の「メインシナリオ」と「サブシナリオ」があります。

[メインシナリオ] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは39,829円(9/27高値)で終わり、そこからC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。C波は35,247円を下回り、10月~11月に「二番底」を付けるとみられます。

[サブシナリオ] 第(5)波入り~高値更新へ
31,156円(8/5安値)以来、第(5)波による強気相場が進行中です。
その内、35,247円(9/9安値)からの上昇は(5)-3波。さらに3波中のマルi波を39,829円で完了し、足元では3-マルii波による下げ局面が展開しています。

このマルii波は3万7000円処を下回らずに、まもなく39,829円(9/27高値)を上抜く局面に移行していきます。



[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇は(B)波とカウントされ、(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]を想定しています。

Y波の編成は [ジグザグ(a)-(b)-(c)]になります。
さらに37,611ドル(4/18安値)からの上昇はY波中(c)波であり、この(c)波を筆者は、上昇局面の最後に現れる[(エクスパンディング)ダイアゴナル]とみています。

42,628ドル(9/27高値)を以て、(c)波中第ⅲ波の高値を付けたかもしれません。もしそうであれば、第ⅳ波による下落が始まっており、それによってNYダウは、39,993ドルを下抜く可能性があります。


【時間足 エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからのY波は、(a)-(b)-(c)[ジグザグ]編成となります。37,611ドル(4/18安値)以来、(c)波による上昇とみられます。

23年10月~24年3月までの上昇(a)波は、一貫して上昇するシンプルな形状ですが、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状です。これは(c)波が[(エクスパンディング)ダイアゴナル]を形成中であることを示唆しています。

[エクスパンディング・ダイアゴナル]は第i波~第v波から成り立ち、これら副次波の各々は三波構成(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)です。

38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇であり、それは[ジグザグ(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)]編成です。39,993ドル(9/11安値)からの上昇(第ⅲ波中のⒸ波)は、42,628ドル(9/27高値)を以て終わった可能性があります。

そうであればNYダウは、10月中にも39,993ドルを下回る可能性があります。



[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)を形成し、それは25年前半まで続くでしょう。

18,671(7/11高値)より、X波による調整が進行中とみられます。X波は[トライアングル]か、[フラット]を形成中でしょう。足元、X波-ⓑ波によるリバウンドが終了し、ⓒ波の下落に移ったところのようです。

このⓒ波の下落によっても、23年10月安値(12,543)と24年8月安値(15,708)を通る、上昇サポートライン※を維持する限り、Z波による上昇が25年に向けてみられるでしょう

※10月第2週(10/7~10/11)のサポートライン水準…[16,408]

その反面、サポートラインを終値で明確に下抜くと、18,671(7/11高値)から既に(C)波による下落トレンドに入っている、という見方が台頭します。この場合ナスダックは、中期的に[12,547]を目指す可能性があります。

【時間足 エリオット波動分析】
7月高値からのX波は[フラット]か、あるいは[トライアングル](ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中と思われます。

15,708(8/5安値)からは、三波構成によるⓑ波のリバウンドに位置付けられます。ⓑ波は18,327(9/26高値)で終わったかもしれません。もしも18,327がⓑ波終点であるのなら、足元はⓒ波による下落が始まったところです

短期的には、8月安値と9月安値を通るサポートライン(10月4日は17540処)の維持なるか、が注目されますそれを割り込むと、次は17,326(8月からの上昇の38.2%押し)を試すことでしょう

そしてⓒ波によりナスダックは、今月中にも16,668(9/7安値)を下抜く可能性があります。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」
が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それはⓍ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、この波動カウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。10月を通じ➀の水準は134.885円です。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。10月中、➁の水準は115.260円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。B波終点の高値はA波の始点高値を上回り、不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しました。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

なお137円を下抜くケースでは、先述した[134.635円]のほか、[131.358円]に注目です。
[131.358円]…A波の長さ(24.741円)×1.236=C波の長さ(30.579円)

【時間足 エリオット波動分析】 
10月3日に一時147円台までドル/円は上昇し、短期的に注目していた146.449円を上抜きました。この動きに伴い、目先波動カウントを次のように変更します

161.938円(7/3)以来のC波は[ジグザグ](ⓐ-ⓑ-ⓒ)と思われます。そのうち、141.630円(8/5)からはⓑ波に相当し、予想されるパターンは「ランニング・トライアングル」です。

この見方によると、139.565円(9/16)からの(b)波による戻りは、149.289円(8/16)を上回りません(※)。その後は(上チャートに示したように)保ち合いパターンを形成、ⓑ波を完成します。

ⓑ波の後に続いて起こるⓒ波によるドル安・円高は139.565円を下抜き、さらに[137.197円]を試す可能性があります。

(※)149.289円を上抜くと別の読み方が必要になります。


円買いポジションは6週連続で増加
IMM通貨先物市場での非商業部門(投機筋&ヘッジファンド)のドルポジションは、8月13日に3年5カ月ぶりに円買い越しに転じました。

9月24日時点の投機筋ポジションは、6.60万枚(58.02億ドル)の円買い持ち。円買いポジションの増加は6週連続です。

筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。

ドル/円が26週MA(152.190円)を下回っている間は、投機筋によるドル売り・円買いの動きは今後も継続する可能性があります。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、1年間かけて[トライアングル]を完成し、現在はC波によるドル安が進行中です。9月27日には一時100.157と、1年2カ月ぶりドル安を更新しました。

足元は反発していますが、それも間もなく完了するでしょうおそらく今月中には23年安値(99.578)を試し、それを下抜くでしょう

99.578を下回ってからのドル指数ターゲットは[92.148](N計算値)です。

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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