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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※10月1日更新

2024/10/01 10:39

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YouTube エリオットView 9月30日 [「石破ショック」!10月に日経平均二番底か?!]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 39,600~42,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 16,900~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~103.546




[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。
中長期タームでの強気見通しは変わりません。来年の日経平均は、42,426円を上抜き最高値を更新する可能性が高い、とみています。後述しますが、日経平均予想EPSが初めて2500円台に増えるなど、好調な企業業績は続いており、4万5000円も十分射程内にあります。

注目の自民総裁選(9/27)では石破元幹事長が当選し、次期首相の地位を確かなものにしました。この日は高市候補の勝利を見込んで円安・株高が進んでいましたが、そんな「高市トレード」の巻き戻しにより、足元では急速に株安・円高が進んでいます。

結局、年初来の需給的なレジスタンス上限(3万9000円)からの上抜けは27日限りの動きでした。4万円を明確に上抜くのは、おそらく総選挙(10/27投開票日が有力とされています)の結果が判明してからでしょう

【日足 エリオット波動分析】
9月27日に日経平均予想EPSは初めて2500円台(2505.00円)に乗せましたEPS2500円、PER18倍とみれば4万5000円という水準が得られますが、それは25年の日経平均ターゲット候補として要注目です。

31,156円(8/5安値)以来のB波による戻りは、39,829円(9/27高値)を以て終わったとみられます。この高値は、A波下げのほぼ76.4%戻りの水準[39,767円]でした。

以来、C波の下落局面に入ったとみられます。このC波により日経平均は、10月~11月に35,247円(9/9安値)を下回るとみられますが、それは8月の「一番底」に次ぐ「二番底」となるでしょう。


【時間足 エリオット波動分析】
短期的な日経平均の見方には、以下の「メインシナリオ」と「サブシナリオ」があります

[メインシナリオ] 35,247円を下回り、「二番底」を形成
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]を形成中です。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは39,829円(9/27高値)で終わり、そこからC波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)による下げが進行中です。C波は35,247円を下回り、10月~11月に「二番底」を付けるとみられます。

[サブシナリオ] 第(5)波入り~高値更新へ
31,156円(8/5安値)以来、第(5)波による強気相場が進行中です。
その内、35,247円(9/9安値)からの上昇は(5)-3波。さらに3波中のマルi波を39,829円で完了し、足元では3-マルii波による下げ局面が展開しています。

このマルii波は3万7000円処までに下げ止まり、その後39,829円(9/27高値)を上抜く局面に移行していきます。



[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇は(B)波とカウントされ、(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]を想定しています。

Y波の編成は [ジグザグ(a)-(b)-(c)]になります。
さらに37,611ドル(4/18安値)からの上昇はY波中(c)波であり、この(c)波を筆者は、上昇局面の最後に現れる[(エクスパンディング)ダイアゴナル]とみています。

9月19日にNYダウは初の4万2000ドル台へ上昇し、9月27日には一時42,628ドルを付けました。もっともこの日のローソク足「流星」(長い上ヒゲを持つ短小陽線)により、当面の天井打ちが示唆されています。

(c)波中第ⅲ波の高値を付けたかもしれません。もしそうであれば、ここから第ⅳ波による下落基調が始まるでしょう


【時間足 エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからのY波は、(a)-(b)-(c)[ジグザグ]編成となります。37,611ドル(4/18安値)以来、(c)波による上昇とみられます。

23年10月~24年3月までの上昇(a)波は、一貫して上昇するシンプルな形状ですが、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状です。これは(c)波が[(エクスパンディング)ダイアゴナル]を形成中であることを示唆しています。

[エクスパンディング・ダイアゴナル]は第i波~第v波から成り立ち、これら副次波の各々は三波構成(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)です。

38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇であり、それは[ジグザグ(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)]編成です。39,993ドル(9/11安値)からの上昇(第ⅲ波中のⒸ波)は、42,628ドル(9/27高値)を以て終わった可能性があり、注目です。

第iii波に続く第ⅳ波の下落によりNYダウは、39,993ドルを下回ることになるでしょう



[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)を形成し、それは25年前半まで続くでしょう。

18,671(7/11高値)より、X波による調整が進行中とみられますが、このX波は[トライアングル]か、[フラット]を形成中のようです。

23年10月安値(12,543)と24年8月安値(15,708)を通る、上昇サポートライン※を維持する限り、Z波による上昇が25年に向けてみられるでしょう

※10月第1週(9/30~10/4)のサポートライン水準…[16,330]

その反面、サポートラインを終値で明確に下抜くと、18,671(7/11高値)から既に(C)波による下落トレンドに入っている、という見方が台頭します。この場合ナスダックは、中期的に[12,547]を目指す可能性があります。

【時間足 エリオット波動分析】
7月高値からのX波は[フラット]か、あるいは[(アセンディング)・トライアングル](ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中と思われます。

15,708(8/5安値)までを三波構成によるⓐ波、そこからは三波構成によるⓑ波とみることができます。

もしも18,327(9/26高値)がⓑ波終点であるのなら、今後はⓒ波による下落基調が強まるでしょう。このⓒ波によりナスダックは一時的に16668(9/7安値)を下抜く可能性があります。



[米ドル/円]


【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それはⓍ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、この波動カウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。10月を通じ➀の水準は134.885円です。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。10月中、➁の水準は115.260円となっています。

【週足 エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。B波終点の高値はA波の始点高値を上回り、不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しました。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

なお137円を下抜くケースでは、先述した[134.635円]のほか、[131.358円]に注目です。
[131.358円]…A波の長さ(24.741円)×1.236=C波の長さ(30.579円)

【時間足 エリオット波動分析】 
ドル/円は149.289円(8/16)以来、マルv波による下落が進行中です。マルv波のパターンは「エクスパンディング・ダイアゴナル」とみています。このマルv波は(i)~(v)波で構成されます。

139.565円(9/16)からは第(iv)波ですが、それは146.449円(9/27)を以て終了し、そこからは第(v)波のドル安・円高が進行中とみられます。

この見方が正しければ、第(ⅴ)波は139.565円を下抜き、さらに[137.197円]を試す可能性があります。
ただし見通しと異なり、早々に146.449円を上抜く動きとなれば、以下代替カウントを採用します。

(オルタナティブ・カウント)
141.630円(8/5)を起点にⓑ波による戻りが展開中です。ⓑ波パターンは「エクスパンディッド・フラット」、139.565円からはⓑ-(c)波です。ⓑ-(c)波は149.289円を上抜き、150円台前半への上昇余地があります。その後はⓒ波によるドル安・円高へ移行し、139.565円を下抜くことになるでしょう。

円買いポジションは6週連続で増加
IMM通貨先物市場での非商業部門(投機筋&ヘッジファンド)のドルポジションは、8月13日に3年5カ月ぶりに円買い越しに転じました。

9月24日時点の投機筋ポジションは、6.60万枚(58.02億ドル)の円買い持ち円買いポジションの増加は6週連続です。


筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。

ドル/円が26週MA(152.060円)を下回っている間は、投機筋によるドル売り・円買いの動きは今後も継続する可能性があります。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、1年間かけて[トライアングル]を完成し、現在はC波によるドル安が進行中です。9月27日には一時100.157と、1年2カ月ぶりドル安を更新しました。

近日中にも23年安値(99.578)を試し、それを下抜くでしょう
99.578を下回ってからのドル指数ターゲットは[92.148](N計算値)です。

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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