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米ドル/円と日米長期金利差の関係が復活!?

2024/09/27 08:08

【ポイント】
・7月以降の米ドル/円と日米長期金利差の相関係数は0.91
・推計式とBloomberg予想を用いれば、米ドル/円は25年に120円台に向けて下落!?
・現時点の推計式は信頼度に欠けると考えられ、今後もモニターが必要

米ドル/円と日米長期金利(10年物国債利回り)差との相関が戻ってきたようです。両者は強い正の相関が続いてきましたが、今年5-6月には相関が崩れました。しかし、7月以降は再び正の相関が強まっています。

米ドル/円と日米長期金利差(日足)の相関係数は、今年1月から4月末までで0.88、 5-6月はマイナス0.69、そして7月から足もと(9月26日)までは0.91です。

米ドル円と日米長期金利差


7月1日~9月26日の期間で回帰分析を行うと、以下の関係式が得られました。

     (米ドル/円)=27.08+40.52×(日米長期金利差)
     推計期間:24年7月1日~9月26日 決定係数R2=0.84

米ドル円の推計


この推計式が今後も有効だと仮定し、市場の日米長期金利見通し(Bloombergによる集計)を用いると、以下のような米ドル/円の推計値を求めることは可能です。

米ドル円の予測

もっとも、推計期間が比較的短く、また推計期間の大部分で金利差が縮小傾向だったので、上記推計が今後も有効かどうか、大いに疑問の余地はあります。また、長期金利差の係数(40.52)が相当に大きいのも気になるところです。換言すれば、長期金利差の変化に対する米ドル/円の感応度(弾性値とも呼びます)が大き過ぎるように感じられます(※)。もう少し安定性があり信頼度の高い推計結果が得られるよう、今後もモニターする必要がありそうです。

※例えば、日米長期金利差が0.1%動いただけで、米ドル/円は4円動く計算です。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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