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米ドルが軟調、英ポンド/米ドルは22年3月以来の高値

2024/09/25 08:56

【ポイント】
・米経済指標やFRB理事の講演で0.50%の利下げ観測が強まるか
・スウェーデン中銀のフォワードガイダンスはどうなるか

(欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は143.101円、米ドル/カナダドルは1.34267カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.11738ドル、英ポンド/米ドルは1.34099ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは24年3月上旬以来の安値を記録し、英ポンド/米ドルは22年3月以来の高値をつけました。米国の9月消費者信頼感指数が98.7と、市場予想の104.0を下回ったことが、米ドル安圧力となりました。

豪ドル/NZドルは軟調に推移し、一時1.08612NZドルへと下落しました。ブロックRBA(豪中銀)総裁が会合後の会見で「今回の会合では利上げを明確には検討しなかった」などと述べたことが、豪ドル/NZドルに対する下押し圧力となりました。RBAの会合で利上げが検討されなかったのは3月以来です(5月・6月・8月の会合では利上げも検討されました)。

※RBA会合については、24日の『デイリーフラッシュ』[【PM】RBAは政策金利を据え置き、豪ドルは声明で上昇し総裁会見で反落]にて解説していますので、ご覧ください。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日25日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、ボックス圏内の往って来い相場が継続しそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

(本日の相場見通し)

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを行うと予想されています。利下げ幅については市場の見方が分かれており、CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月の利下げ確率は0.25%幅が41.8%、0.50%幅が58.2%です。

本日は、米国の8月新築住宅販売件数が発表され、FRBのクーグラー理事の講演があります。新築住宅販売件数が市場予想の年率換算70.0万件を下回るなどして11月FOMCでの0.50%の利下げ観測が強まる場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇しそうです。米ドル/カナダドルの下値メドとして、1.31732カナダドル(23年12月安値)が挙げられます。

***

本日、スウェーデン中銀が政策会合を開きます。会合の結果は日本時間16時30分に発表され、18時からテデーン総裁が会見します。

スウェーデン中銀は5月と8月にそれぞれ0.25%の利下げを行いました(6月の会合では政策金利を据え置き)。現在の政策金利は3.50%です。

スウェーデンの8月CPIF(住宅ローン金利変動の影響を除外した消費者物価指数)は前年比1.2%と、上昇率は7月の1.7%から鈍化し、21年7月以来の低い伸びでした。CPIF上昇率がスウェーデン中銀のインフレ目標である2%を下回ったのは3カ月連続です。市場では、本日の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの見方が有力です(0.50%利下げとの見方も一部にあります)。

スウェーデン中銀の声明やテデーン総裁の会見にも注目です。声明や総裁会見における焦点は、どのようなフォワード・ガイダンス(金融政策の先行きに関する示唆)が示されるかになりそうです。前回8月20日会合時の声明では、「年内(残り3会合)に2、ないし3回の利下げを行う可能性がある」とされました。声明や総裁会見で、年内残り2回の会合、さらには25年も利下げを行う可能性が示されれば、スウェーデンクローナが軟調に推移しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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