ECB理事会は0.25%利下げ、市場では10月利下げ観測が後退!?
2024/09/13 07:25
【ポイント】
・12日のECB理事会は中銀預金金利を0.25%引き下げ
・他の2つの政策金利の0.60%引き下げは技術的調整
・次の一手は示唆されず、市場では10月利下げ観測が後退
ECBの0.25%利下げは市場で確実視されていました。ただし、声明文やラガルド総裁の会見が思ったほど「ハト派」的ではなかったことで、10月の連続利下げの観測が後退。ドイツの長期金利(10年物国債利回り)が上昇、今週に入って軟調だったユーロ/米ドルは反発しました。
■ユーロ/米ドルのテクニカル分析については、「ユーロ/米ドル、下値しっかりの相場付き」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
*******
ECBは12日の理事会で6月6日に続く2回目の利下げを決定。中銀預金金利は3.75%から3.50%に引き下げられました(【補足】ご参照)。
声明文では、「2%の物価目標を達成するために、必要なだけ長く十分に抑制的な政策金利を維持する」との従来と同じフォワードガイダンスでした。また、ラガルド総裁は会見で、政策金利が低下する軌道にあるのは「かなり明白だ」と述べたものの、先行きに関するヒントはそれだけでした。
匿名の関係者は10月利下げの可能性は残るとするものの、市場の織り込む確率は理事会前の40%から20%に低下したとの指摘もありました(ただし、12日時点のOIS=翌日物金利スワップに基づけば、市場は5割強の確率で10月利下げを織り込んでいます)。
なお、ECBスタッフのユーロ圏経済見通しによれば、24-26年の実質GDP成長率が6月時点に比べてそれぞれ0.1%下方修正され、一方でエネルギーと食料を除くコアCPIは24-25年の見通しがそれぞれ0.1%上方修正されました。

【補足】2つの政策金利は0.60%引き下げ
ECBは12日の理事会で0.25%の利下げを決定。3つの政策金利のうち、最も重視している下限の中銀預金金利を0.25%引き下げ、残る2つ、主要リファイナンス金利と上限の限界貸出金利は0.60%の利下げでした。主要リファイナンス金利と限界貸出金利の大幅な引き下げは技術的な調節です。
ECBが14年6月に中銀預金金利をマイナスにし(マイナス金利導入)、それ以降もマイナス幅を拡大する(深掘りする)なかで、他の2つの政策金利を引き下げられなかったため、金利差が拡大していました。ECBは金融政策の正常化を進めるなかで、金利差をマイナス金利導入以前の状態に戻しました。
・12日のECB理事会は中銀預金金利を0.25%引き下げ
・他の2つの政策金利の0.60%引き下げは技術的調整
・次の一手は示唆されず、市場では10月利下げ観測が後退
ECBの0.25%利下げは市場で確実視されていました。ただし、声明文やラガルド総裁の会見が思ったほど「ハト派」的ではなかったことで、10月の連続利下げの観測が後退。ドイツの長期金利(10年物国債利回り)が上昇、今週に入って軟調だったユーロ/米ドルは反発しました。
■ユーロ/米ドルのテクニカル分析については、「ユーロ/米ドル、下値しっかりの相場付き」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
*******
ECBは12日の理事会で6月6日に続く2回目の利下げを決定。中銀預金金利は3.75%から3.50%に引き下げられました(【補足】ご参照)。
声明文では、「2%の物価目標を達成するために、必要なだけ長く十分に抑制的な政策金利を維持する」との従来と同じフォワードガイダンスでした。また、ラガルド総裁は会見で、政策金利が低下する軌道にあるのは「かなり明白だ」と述べたものの、先行きに関するヒントはそれだけでした。
匿名の関係者は10月利下げの可能性は残るとするものの、市場の織り込む確率は理事会前の40%から20%に低下したとの指摘もありました(ただし、12日時点のOIS=翌日物金利スワップに基づけば、市場は5割強の確率で10月利下げを織り込んでいます)。
なお、ECBスタッフのユーロ圏経済見通しによれば、24-26年の実質GDP成長率が6月時点に比べてそれぞれ0.1%下方修正され、一方でエネルギーと食料を除くコアCPIは24-25年の見通しがそれぞれ0.1%上方修正されました。

【補足】2つの政策金利は0.60%引き下げ
ECBは12日の理事会で0.25%の利下げを決定。3つの政策金利のうち、最も重視している下限の中銀預金金利を0.25%引き下げ、残る2つ、主要リファイナンス金利と上限の限界貸出金利は0.60%の利下げでした。主要リファイナンス金利と限界貸出金利の大幅な引き下げは技術的な調節です。
ECBが14年6月に中銀預金金利をマイナスにし(マイナス金利導入)、それ以降もマイナス幅を拡大する(深掘りする)なかで、他の2つの政策金利を引き下げられなかったため、金利差が拡大していました。ECBは金融政策の正常化を進めるなかで、金利差をマイナス金利導入以前の状態に戻しました。

- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。