米ドル/円、米ドル/カナダドル:米経済指標に反応!?
2024/08/29 09:02
【ポイント】
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・ECB専務理事はECBの金融政策についての手掛かりを提供するか
(欧米市場レビュー)
28日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は144.992円、米ドル/カナダドルは1.34849カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11036ドル、英ポンド/米ドルは1.31667ドルへと下落しました。米ドル買いにつながるような材料は特になく、ポジション調整が中心と考えられます。
(本日の相場見通し)
本日は、米国のGDP改定値(4-6月期分)や新規失業保険申請件数(先週分)、中古住宅販売保留指数(7月分)、が発表されます。それらの結果が材料になりそうです。
市場予想は以下の通りです。
・GDP改定値(前期比年率):2.8%
・コアPCE改定値(前期比年率):2.9%
・新規失業保険申請件数:23.2万件
・中古住宅販売保留指数(前月比):0.2%
FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うと市場は予想しています。市場の注目点はどのくらい利下げするのか(利下げ幅)へと移っており、CMEのFedWatch ツールによると、市場が織り込む9月FOMCでの利下げの確率は0.25%幅が6割程度、0.50%幅が4割程度です。
新規失業保険申請件数など米経済指標が市場予想よりも弱い結果になれば、0.50%幅の利下げ観測が強まる可能性があります。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇しそうです。
ECB(欧州中銀)のレーン専務理事が本日講演します。レーン専務理事は24日の討論会で、「インフレ率が(ECBの)目標に戻るのはまだ確実ではない」、「インフレ率を鈍化させて目標水準へと戻すために必要な期間、金融政策スタンスは景気抑制的である必要がある」、「(政策)金利が高い状態を長く続けすぎると、インフレ率が慢性的に(ECBの目標の)2%を下回る状況を招くおそれがある」などと述べました。
レーン専務理事の本日の講演では、ECBの追加利下げのタイミングやその後の利下げペースについて新たな手掛かりが提供されるかどうかに注目です。新たな手掛かりが提供されれば、材料になりそうです。
本日はまた、ドイツの8月CPI(消費者物価指数)速報値が発表されます。CPIの市場予想はEU(欧州連合)基準が前年比2.3%、国内基準が2.1%。市場予想からかい離する結果になれば、ユーロが反応する可能性があります。
※ユーロ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/円、足もと注目ポイントは?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。