パウエルFRB議長や植田日銀総裁の発言に注目!
2024/08/23 08:51
【ポイント】
・パウエル議長の講演でFRBの利下げペースについてのヒントが示されるか
・日銀総裁の追加利上げに前向きな姿勢に変化はみられるか
(欧米市場レビュー)
22日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は146.478円、米ドル/カナダドルは1.36143カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11071ドル、豪ドル/米ドルは0.66957米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。
メキシコペソは軟調。メキシコペソ/円は一時7.465円へと下落しました。メキシコの8月前半のCPI(消費者物価指数)は総合指数が前年比5.16%、コア指数が同3.98%と、いずれも市場予想(5.31%と4.06%)を下回りました。これを受けて市場ではBOM(メキシコ中銀)の追加利下げ観測が強まり、メキシコペソの重石となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、ジャクソンホール会議(米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム)でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演します(日本時間23:00)。その内容が材料になりそうです。
パウエル議長の講演では、FRBの利下げペースについてのヒントが示されるかどうかに注目です。市場では、次回9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが行われることが確実視されています。利下げ幅については0.25%になるとの見方が有力ですが、0.50%になるとの観測もあります。パウエル議長の講演が市場の9月以降の利下げ観測を後退させる内容になれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下落しそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、「閉会中審査」と「ジャクソンホール会議」が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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本日、衆参両院で開かれる閉会中審査に植田日銀総裁が出席します。衆院では日本時間午前9時30分から、参院では同午後1時から開かれます。
植田総裁は7月31日の金融政策決定会合後の会見で追加利上げに前向きな姿勢を示しました。※詳しくは、同日配信の『ファンダメ・ポイント』[【アップデート】日銀は追加利上げ+国債買入れ減額、FOMCは円高を後押しするか]をご覧ください。
その後、内田副総裁は8月7日の講演で「当面、 現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要がある」と述べました。
閉会中審査で植田総裁の追加利上げに前向きな姿勢が後退したと市場が受け止めれば、円が軟調に推移して、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円には上昇圧力が加わる可能性があります。
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