米長期金利や株価の動向が材料になりそう
2024/08/12 08:47
【ポイント】
・米長期金利(10年物国債利回り)が低下すれば米ドルが軟調に推移しそう
・米国など主要国の株価動向にも注目
・RBA(豪中銀)副総裁の講演でRBA金融政策について新たなヒントが提供されるか
(欧米市場レビュー)
9日、欧米時間の外為市場では、米ドルが弱含み。一時、米ドル/円は146.276円、米ドル/カナダドルは1.37200カナダドル近辺へと下落し、ユーロ/米ドルは1.09264ドル、英ポンド/米ドルは1.27689ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
カナダの7月雇用統計の結果は、失業率が6.4%、雇用者数は前月比0.28万人減でした。失業率は市場予想の6.5%と比べて良好でしたが、雇用者数は市場予想(2.25万人増)に反して減少しました。強弱マチマチの結果だったことで雇用統計に対してカナダドルは反応薄でした。
(本日の相場見通し)
本日は、米国やユーロ圏などの主要な経済指標の発表はなく、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。
米国の長期金利は5日に一時3.66%へと低下し、23年6月以来1年2カ月ぶりの低い水準を記録。米景気の先行きへの懸念やFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まったことが、米長期金利に対する下押し圧力となりました。米長期金利はその後反発しましたが、再び低下基調を強める場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が加わり、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそうです。
米国など主要国の株価動向にも注目です。9日の米株式市場では主要3株価指数がいずれも上昇。ダウは前日比51.05ドル(0.13%)、ナスダックは同85.28ポイント(0.51%)、S&P500は同24.85ポイント(0.47%)上昇しました。主要国の株価が堅調に推移する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが後退するとともに、円安材料になる可能性があります。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[【株価指数】主要株価指数は引き続き落ち着きをみせるか]です。
本日、ハウザーRBA(豪中銀)副総裁がブリスベンで講演する予定です(日本時間11:00)。RBAは5-6日の政策会合で政策金利を4.35%に据え置くことを決定。その時の会合では利上げも検討され、ブロック総裁は会合後の会見で「必要なら利上げする用意がある」と述べました。ハウザー副総裁の講演でRBAの金融政策の先行きについて新たなヒントが提供されれば、豪ドルが反応しそうです。
本日は日本が休日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きなどが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。
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