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メキシコペソ:メキシコ中銀会合開催、市場の見方は分かれる

2024/08/08 09:15

【ポイント】
・米経済指標やリッチモンド連銀総裁の講演で、FRBの利下げ観測が後退するか否か
・インフレ期待調査で市場のRBNZ金融政策見通しが変化するかどうか
・メキシコ中銀の利下げの有無

(欧米市場レビュー)

7日、欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は147円台後半、ユーロ/円は161円台前半、豪ドル/円は96円台後半へと上昇しました。東京時間に内田日銀副総裁が「金融市場が不安定な状況で利上げすることはない」、「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある」と発言。追加利上げに慎重な姿勢を示したことが、円の重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表され(日本時間21:30)、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演します(同9日04:00)。それらが材料になる可能性があります。

FRB(米連邦準備制度理事会)は9月17-18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開きます(8月はFOMCなし)。CMEのFedWatchツールによると、市場は9月に0.50%の利下げが行われる確率を70%程度織り込んでいます(0.25%の利下げは完全に織り込む)。

新規失業保険申請件数が市場予想の24.0万件と比べて良好な結果となる、あるいはバーキン総裁が市場の0.50%の利下げ観測を後退させるような発言をすれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。

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企業経営者や専門家を対象としたRBNZ(NZ中銀)のインフレ期待調査が本日公表されます(日本時間12:00)。その結果にNZドルが反応しそうです。

前回の調査では、2年先の期待インフレ率は2.33%と、21年7-9月期以来およそ3年ぶりの低水準となりました。

市場では、RBNZは来週水曜日(14日)の政策会合で利下げを行うと観測もあります。インフレ期待調査の結果を受けて、14日の会合での利下げ観測が後退すれば、NZドルが堅調に推移して豪ドル/NZドルには下押し圧力が加わる可能性があります。

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本日、BOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間9日午前4時に発表されます。

市場では“政策金利は据え置き”と“0.25%利下げする”とで見方が分かれています。そのため、いずれの結果になってもメキシコペソが反応しそうです。

足もとで対米ドルでのメキシコペソ安が進んでおり、メキシコペソは5日に対米ドルで22年10月以来の安値をつけました。通貨安は輸入物価の上昇を通じてインフレ圧力を強めるおそれがあるため、BOMは本日の会合で政策金利を据え置く可能性の方が高そう。政策金利が据え置かれた場合、メキシコペソにとってプラスになりそうです。

※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、「反発」を示唆する3つの指標とは?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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