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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月6日更新

2024/08/06 11:32

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YouTube エリオットView 8月5日 [日経平均暴落は大バーゲンセール!?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 31,000~39,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 32,000~39,800ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,000

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350


[日経平均]


【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)は、その最終局面にあります。底入れは近づいており、それは4年サイクル底となるでしょう。

8月5日、日経平均は一時31,156円まで下げました。
7月高値からの下げ率は20%超となり(26%)、定義上の「弱気相場」に入りました。20年3月のコロナショック底以降では初の「弱気相場」によって4年サイクルは完結します。そして4年サイクル底は、もはや何時つけてもおかしくないでしょう。

第(4)波の下値メドは、週足チャートのチャネル下限(今週30,993円)。そして[30,795円-30,583円](※)です。前者は21年9月14日に付けた第(1)波の高値であり、後者は第(3)波中のレッサー・ディグリーマルⅳ波安値です。

(※) 第1波高値と第4波安値は通常、重なることはありません。今回でいえば、第(4)波安値が第(1)波高値(30,795円)を下回ることはない、といえます。同様にTOPIXの現行の下げは、第(1)波高値(2120)を下回ることはないでしょう。
今回想定される保ち合いでは、パターン終点の安値が第(1)波を下抜くことは決してありません。ただしパターン中A波の安値が、第(1)波の高値と(瞬時)重なることはあり得ます。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
8月5日は歴史的な日となりました。この日、日経平均は過去最大の下げ幅(4451.28円安)を演じ、
7月11日高値(42,426円)からの1カ月足らずで1万1270円も下げました。1日の下げ率12.4%は、ブラックマンデー(14.9%安)に次ぐ歴代2番目の大きさです。

この暴落を受けて、日経平均の総合かい離はマイナス54%に一気に広がりましたが、これは20年3月コロナショック急落時(マイナス72%)以来の大きさであり、日経平均は極端な下がり過ぎです。

この日の東証プライム市場の売買代金は7兆9674億円と過去最高を記録しました。年初来マイナス(5.64%安)となった日経平均ですが、セリングクライマックスだったかもしれません。

5日の日経平均予想EPS(1株利益)は史上最高の2418円(8/5)となり、PERは13.01倍に低下しました。これにより株式益回り (PERの逆数)は7.68%に跳ね上がりました。

アベノミクス相場が始まった12年11月下旬以来、PERは平均して15.20倍程度。
PBRは平均1.24倍強です(5日は1.15倍)。

これら投資尺度からみて、日経平均は一気に割安になった、といえるでしょう。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
今回の底値は4年サイクル底に一致するとみています。それは第(4)波のA波とカウントされ、次はB波によるリバウンドを迎えることでしょう。

B波はA波の38.2%~50%を戻すでしょう。
もしも5日安値(31,156円)が4年サイクル底であり、そこからB波に入ったのであれば、戻りメドは[35,461円~36,791円]。ちなみに200日MAは5日現在36,856円にあり、半値戻り水準に相当します。

ちなみにブラック・マンデー急落(87年10月20日)の翌21日と22日に、日経平均は下げの61.8%を取り戻しています。今回、A波の61.8%戻りは[38,121円]です。


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
22年10月(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級➃波中(B)波とカウントされ(あるいはプライマリー級➄波)、それは完了したとみられます。この見方が正しければNYダウは、いずれ22年10月安値(28,660ドル)を窺う展開となるでしょう。

41,376ドル(7/18高値)からは、(C)波による下落とみられます。当面は200日MA※へ向けた下げが想定されます。現在200日MAの辺りに、フィボナッチ比率からのサポートがあります。

※200日MA…37,966ドル(8/5)

[37,919ドル]…23年10月安値からの上昇に対する38.2%押し

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】 
注目していた節目39,807ドルを明確に下抜きました。このことによりNY ダウは、41,376ドル(7/18高値)を以て(B)波はピークアウトした、とみられます。

41,198ドル(8/1高値)からは、マルiii波による下げとカウントできます。このマルiii波はフィボナッチ比率の節目である39,240ドル(前述)、37,611ドル(4/18、トライアングル中安値)などを打診した後に、マルiv波のリバウンド(保ち合い型)に入る可能性があります。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波(あるいはプライマリー級第➄波)とみられ、それは18,671(7/11高値)を以て終了したとみられます。以来(C)波による下げに入ったナスダックは、いずれ12,500~10,000へ下落する可能性があります。

17,033(7/25)はマルi波終点(7月高値から連続する5波構成がみてとれます)、そこからのマルii波は[エクスパンディッド・フラット]を形成し、17,791(8/1高値)を以て終了しました。

それ以来、マルiii波による下落トレンドが展開中とみられます。
8月5日は大きく下げましたが(16,200、3.43%安)、この日の安値(15,708)からはかなりの戻りをみせました。この日の日中に200日MA到達をはたしており、いったんはリバウンドかもしれません。

※200日MA…15,825(8/5)

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・日足エリオット波動分析】
5931(7/11高値)を以て、22年10月からの(B)波による上昇は完了した可能性があります。

8月5日は200日MAを下抜きました。7月高値(5931)からこの日の安値(4290)まで下げ率は27.65%に広がっており、定義上の「弱気相場」入り(20%超の下げ)となりました。

もっとも4月安値(4287)に近づいてから下げ渋る動きをみせており、当面はリバウンド局面入りの可能性があります。

一方4287を明確に下抜くと、次は4000処が試されることでしょう。


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。

【月足・エリオット波動分析】 
7月11日、政府・日銀は3兆5000億円程度のドル売り・円買い介入(今年3回目)を行なったとされています(注1)。さらに7月31日の決定会合で日銀は、短期金利を0.1%⇒0.25%に引き上げました。
このような「介入+金融政策の変更」というポリシーミックス効果は絶大でした。ドル/円は7月高値から一気に20円幅も下落し、長期上昇チャネルからの極端な上振れ状態(スローオーバー)は完全に解消されました。

22年秋の経験から、筆者は2回目の円買い介入を侮ってはいけない、と注意喚起をしていました(注2)。今回の介入+追加利上げは─それだけでなく植田日銀総裁は年内さらなる利上げの可能性にも言及しています─円売りポジションを大きく膨らませていた投機筋を一瞬で沈黙させることに成功し、迂闊に円を売りづらいムードをも高めた、といえそうです。

なお今回の円相場の急変によって、『161.938円(7/3)は8年サイクル高値である』という見方は、ほぼ固まりました。

(注1) 7月31日、財務省は6月27日~7月29日の間に5兆5,348億円の円買いドル売りの為替介入を行った、と発表しました。
(注2) YouTube エリオットView (7月1日収録)「円安バブル、崩壊へ?」など

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。それはA波開始点を上回る、不規則天井(イレギュラー・トップ)です。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

【日足・エリオット波動分析】
筆者の見立て通り、米長期金利は急低下となっています。8月5日に米10年長期金利は一時3.6764%とほぼ1年ぶり低水準となり、日米金利差はさらに縮小しました。


[日米実質金利差による推計値]…144.167円

8月5日にドル/円は一時141.630円まで下げ、金利差からの「本来あるべき水準」への回帰をはたしました。またこの日の安値は、フィボナッチ比率によるサポートレベル[140.444円]にも近いものです。

[140.444円]…23年1月(127.158円)からのドル/円上昇に対する61.8%押し水準

ドル円が最終的に底入れした、とは言い切れませんが、過剰な円売りの巻き戻し局面は、目先的にも終息しておかしくないでしょう。ここからのドル/円は底堅く推移する可能性があります。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中です。

足元はⓔ波のドル高局面とみられます。この見方通りなら、まもなくB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。

派生的な見方として、「トライアングルは105.915(6/21)を以て既に完成しており、そこからはC波によるドル安が始まっている」というものがあります。

いずれにしても、今後の大幅なドル安が想定されます。

ただし106.517(4/16)を上抜く動きとなったときは、短期的なドル安見通しはいったん撤回され、別のオプションが必要になります。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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