英中銀が利下げ、欧米中銀vs日銀の違いが鮮明に
2024/08/02 07:27
【ポイント】
・BOEは政策金利を0.25%引き下げて5.00%に
・ベイリー総裁は追加利下げに慎重姿勢
・利下げする英欧+利下げ近い(?)米と、利上げする日本の相違が鮮明に
・英ポンド/円は190円に接近、今年4月以来の低水準
BOE(英中銀)は1日に利下げを実施。声明文や総裁会見は追加利下げに慎重な内容だったものの、BOEが利下げを進める意向であるのは明らか。利下げの確率は五分五分に近いとみられていたこともあって、英ポンドは全面安となり、対円では190円台をつけました(日本時間2日午前7時ごろに189円台を示現)。
BOEの利下げは6月ECBに続くもの。FRBも次回9月のFOMCでは利下げに踏み切る可能性が高まっています。一方で、日銀は金融政策の正常化を進める構えです。欧米中銀と日銀との金融政策の方向性の差が鮮明になっており、この構図に大きな変化がなければ、短期の変動を別としても「円高」が進行する可能性は高そうです。

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BOEは1日のMPC(金融政策委員会)で政策金利を0.25%引き下げて5.00%としました。票決は5対4とギリギリで、反対した4人は据え置きを主張しました。また、利下げを支持した委員の中でも数人は「僅差」の判断だったようです。
声明文は、これまでの利上げの影響で労働需給が緩和してインフレ圧力は弱まったとしつつ、インフレ圧力が持続するリスクがあると指摘。インフレのリスクがさらに後退するまで、金融政策は十分に長く抑制的であり続ける必要があると表明しました。そして、毎回の会合で金融政策の適切な抑制度合いを判断するとのことでした。
もっとも、同時に公表された金融政策報告によれば、BOEが利下げを進める意向であるのは明らかでしょう。市場が予想する政策金利(※)を前提として、CPI前年比は26年Q2(4-6月期)以降に目標の2%を割り込んで低下を続ける見通しです(下表)。
※BOEが用いた市場予想は、25年末の政策金利が4.00%、26年末の政策金利が3.75%程度。つまり、それ以上のペースで利下げを続けなければ、2%の物価目標を維持できない(下回り続ける)とBOEは考えているようです。
・BOEは政策金利を0.25%引き下げて5.00%に
・ベイリー総裁は追加利下げに慎重姿勢
・利下げする英欧+利下げ近い(?)米と、利上げする日本の相違が鮮明に
・英ポンド/円は190円に接近、今年4月以来の低水準
BOE(英中銀)は1日に利下げを実施。声明文や総裁会見は追加利下げに慎重な内容だったものの、BOEが利下げを進める意向であるのは明らか。利下げの確率は五分五分に近いとみられていたこともあって、英ポンドは全面安となり、対円では190円台をつけました(日本時間2日午前7時ごろに189円台を示現)。
BOEの利下げは6月ECBに続くもの。FRBも次回9月のFOMCでは利下げに踏み切る可能性が高まっています。一方で、日銀は金融政策の正常化を進める構えです。欧米中銀と日銀との金融政策の方向性の差が鮮明になっており、この構図に大きな変化がなければ、短期の変動を別としても「円高」が進行する可能性は高そうです。

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BOEは1日のMPC(金融政策委員会)で政策金利を0.25%引き下げて5.00%としました。票決は5対4とギリギリで、反対した4人は据え置きを主張しました。また、利下げを支持した委員の中でも数人は「僅差」の判断だったようです。
声明文は、これまでの利上げの影響で労働需給が緩和してインフレ圧力は弱まったとしつつ、インフレ圧力が持続するリスクがあると指摘。インフレのリスクがさらに後退するまで、金融政策は十分に長く抑制的であり続ける必要があると表明しました。そして、毎回の会合で金融政策の適切な抑制度合いを判断するとのことでした。
もっとも、同時に公表された金融政策報告によれば、BOEが利下げを進める意向であるのは明らかでしょう。市場が予想する政策金利(※)を前提として、CPI前年比は26年Q2(4-6月期)以降に目標の2%を割り込んで低下を続ける見通しです(下表)。
※BOEが用いた市場予想は、25年末の政策金利が4.00%、26年末の政策金利が3.75%程度。つまり、それ以上のペースで利下げを続けなければ、2%の物価目標を維持できない(下回り続ける)とBOEは考えているようです。

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