マネースクエア マーケット情報

米PCEデフレーターに注目!

2024/07/26 09:05

【ポイント】
PCEデフレーターで市場の米利下げ観測が後退するか
・日銀の金融政策に関する報道には注意が必要

(欧米市場レビュー)

25日、欧米時間の外為市場では、が不安定な動き。日銀が30-31日の金融政策決定会合で追加利上げを行うとの観測が引き続き円の支援材料となり、欧州時間に米ドル/円は151.938円、ユーロ/円は164.774円、豪ドル/円は99.173円へと下落する場面がありました。その後、米国の4-6月期のGDP(国内総生産)速報値やコアPCE(個人消費支出)が市場予想を上回ると、米ドル/円が上昇して一時154.271円をつけました。米ドル/円の上昇に支えられて、一時ユーロ/円は167円台半ばへ、豪ドル/円は101円ちょうど近辺へと上昇しました。

※米GDP速報値については、本日26日の『ファンダメ・ポイント』[米景気は引き続き堅調? FOMC前のGDPは市場予想上回る]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

イエレン米財務長官は記者会見で、「経済のファンダメンタルズを反映した、市場で決定される為替レートを信じている」、「G7は市場で決定される為替レートを維持すると確約している。為替介入はパートナー国と協議したうえで、過度な変動があると判断される場合にのみ、まれに行われるべきだ」と述べました。イエレン長官の発言に目新しさはなく、市場に大きな反応はみられませんでした。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の6月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表されます(日本時間21:30)。物価の動向はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に大きな影響を与えるため、PCEデフレーターの結果に市場が反応しそうです。昨日25日に発表されたPCEは四半期ベースの、本日は月次ベースのデータです。

PCEデフレーターの市場予想は、以下の通り。( )は5月の実績です。
<総合>
・前月比:0.1%(0.0%)
・前年比:2.5%(2.6%)
<コア>
・前月比:0.1%(0.1%)
・前年比:2.5%(2.6%)

昨日発表された4-6月期のコアPCEの結果は前期比年率2.9%と、市場予想の2.7%を上回りました。本日の6月PCEデフレーターは市場予想と比べて強めの結果になるかもしれません。

その通りになれば、市場ではFRBの利下げ観測が後退するとともに、米ドルが堅調に推移しそう。米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落すると考えられます。米ドル/カナダドルの上値メドとして、22年10月高値の1.39746カナダドルが挙げられます。

銀の金融政策に関する報道にも引き続き注意が必要です。30-31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が強まる場合、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円などには下押し圧力が加わる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ