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米景気は引き続き堅調? FOMC前にGDPは市場予想上回る

2024/07/26 07:37

【ポイント】
・4-6月期GDPは前期比年率2.8%と堅調
・国内民間最終需要がGDPを2.2%押し上げ
・7-9月期の景気の滑り出しも悪くないかも

米国の4-6月期GDPは前期比年率2.8%と、市場予想(2.0%)を上回って1-3月期から加速しました。内訳をみても、景気の強さをみる上で重要な国内民間最終需要(=個人消費+設備投資+住宅投資)の寄与度(※)が2.2%と過去数四半期とそん色ない伸びでした。
※GDPの伸び率(%)のうち、何%分に寄与したかを示すもの。4-6月期の個人消費は前期比年率2.3%でしたが、GDPの約7割を占めるため、GDP寄与度も1.6%と大きくなっています。

なお、本欄でよく紹介するアトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)は6月小売売上高が発表された7月16日以降、2%台後半を予測しており、24日の最終予測は2.6%でした。

米GDP内訳

7月30-31日のFOMC前に発表された4-6月期GDPは上述の通り堅調でした。本日は6月の個人所得・消費の統計が発表されます。このうち、PCE(個人消費支出)デフレーターはFRBが重視しているインフレ指標です。その結果がFOMCの判断に影響を与えるかもしれません。

7-9月期GDPは高めの「ゲタ」を履く!?
なお、個人消費支出はGDPの「個人消費」と同じものです。先にGDPの内訳項目として四半期の個人消費が発表され、その後に月次ベースの個人消費が公表されます。既に、発表されている4月と5月の個人消費、そして4-6月期GDPの個人消費から6月の個人消費を逆算することが可能です。それによると6月個人消費は前月比0.7%と前月の0.3%から加速しました。ただし、本日の6月個人消費の発表時に4月と5月の個人消費が改定される可能性が大なので、あくまでも目安です。

それでも、改定がなく、かつ7-9月の個人消費が毎月横ばいだと仮定すると、7-9月期個人消費は前期比年率2.2%となり、これを「ゲタ」と呼びます。つまり、7-9月の個人消費が少しでも伸びれば、同四半期の個人消費は2.2%を上回るということです。その場合、GDP寄与度は1.5%超となります。7-9月期の米景気も滑り出しは悪くなさそうです。

個人消費
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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