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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月25日更新

2024/06/25 10:51

宮田レポート

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(おしらせ)都合により6月28日(金)の本レポートを休載致します。次回号は7月2日(火)に更新予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,600~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,000~39,600ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,000

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350



[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から[(ダブル)ジグザグ]による調整が進行中とみられます。その波動の位置付けとしては、インターミディエイト級第(3)波におけるマイナー級第4波、あるいはインターミディエイト級の第(4)波と思われます。

TOPIX、コア30など他チャートも検討した結果、「マイナー級第4波による調整」という波動カウントが、もっとも相応しいとみています(もちろん今後の展開次第で適宜、カウントを見直していきます)。

今は4年サイクル底へ向けた下げが進行中です。底打ち時期は7月~11月※とみています。

※4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点が今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
3月高値からの急落(ジグザグ・W波)は100日MAにサポートを受け、36,733円(4/19安値)からリバウンドとなっていました。後述しますが、このリバウンド(X波)はトライアングルを形成中とみられます。

X波・トライアングルはほぼ完成したとみられ、おそらく今週にもY波による下落がスタートするでしょう。
このY波により日経平均は、200日MA※を打診する展開でしょう。

※100日MA…38,660円
200日MA…35,822円 (ともに6/24大引け時点)

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
3月高値からの下げは、[ダブル・ジグザグ](W-X-Y)編成とみられます。

W波[ジグザグ]…41,087円(3/22高値)→36,733円(4/19安値)
X波[トライアングル]…36,733円(4/19安値)→?円

X波・トライアングルはⓐ~ⓔ波から成り立ち、37,950円(6/12安値)からはⓔ波による上昇とみられます。ⓔ波の想定レンジは38,800円~39,000円ですが、6月24日の高値(38,905円)はレンジ内で付けたものです。

このⓔ波を以てX波は完成し、そこからは再び[ジグザグ]によるY波下げが想定されます。37,950円(6/17安値)を下抜くと、Y波入りの可能性が高まります。

なおⓔ波が39,336円(6/11高値)を上抜くと、トライアングル説は否定され、別の見方が必要になります。

この場合のオプションは、「37,950円(6/12安値)からの上昇はX波におけるⓒ波」というものです。この見方によると、ⓒ波は4万円を一時的に回復する可能性があります。


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波を展開中とみています。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]。そのうち、23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。

そして、このY波は40,077ドル(5/20高値)で天井を打ち、➃-(C)波による下落が始まったかもしれません。この見方は37,611ドル(4/18安値)を下抜くことにより強められ、NYダウは当面、200日MA※を目指し下落していく展開が想定されます。
※200日MA…37,105ドル(6/24)

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
40,077ドル(5/20高値)から38,000ドル(5/30安値)までは第(ⅰ)波による下落、そこから第(ⅱ)波によるリバウンドと位置付けられます。

6月24日には一時39,571ドルまで上昇し、黄金比の節目[39,587ドル](5月高値からの下げに対する76.4%戻り)をほぼ達成しました。

第(ii)波リバウンドは終わったか、終わりつつあるようです。
38,000ドルを下抜くと、ネックラインから下放れ開始となり、第(iii)波の下げに入ったとみられます。
第(iii)波にNYダウは、短期的にも37,611ドル(4/18安値)を試すでしょう。

一方37,611ドルが維持される限り、上値追いのチャンスは引き続き残っています。
3月高値からの(b)波が「ランニング・トライアングル」なら、38,000ドル(5/30安値)からはトライアングル中d波に位置付けられます。この場合、来るe波の下げによっても38,000ドルは維持され、40,077ドルを上抜くような、「最後の上昇」があるでしょう。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。

➃-(B)波による上昇は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成です。今年4月安値(15,222)からは、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波による上昇とみられます。

そしてⓒ波完了に必要な、(ⅰ)波~(ⅴ)波の五つの波動は、17,936(6/20高値)までにすべて揃っています。

次の注目ポイントは、6月11日~12日のギャップ(17,345-17,490)埋めです(ギャップ埋めは下落トレンド入りの証左となります)。

もっともSOX指数は、同じ日のギャップ埋めをはたしています。ナスダックの上昇トレンド終了の可能性は高い、とみられます。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。

6月24日のSOX指数は3営業日続落。この日は3%安となり、終値(5371)はこの日の安値に近いものでした。これにより6月11日~12日のギャップ(5374-5452)が埋まり、それが上昇トレンド最後の”exhaustion gap”だったという、強い感触が得られました。

指数ウェイト最大のエヌビディアは、3営業日の下げ率が13%(ザラバでは16%超え)となり、調整局面に入りました。ブルームバーグ記事は、過去3日間の下げで、エヌビディアの時価総額が約4300億ドル(約68兆6300億円)消失した、と伝えています。

SOX指数は、5792(6/18高値)から(C)波による下落トレンドに入った可能性があります。

短期的な下値メドとして妥当なのは [5343-4988]、レッサーディグリー第(ⅳ)波の領域です。
5000水準を下回った後、想定される下値レンジは[4400-3900]です。


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近の34年ぶりドル高・円安も基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)以来、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波が進行中です。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

ドル/円は4月29日の160.135円を以て、8年サイクル高値※を付けた可能性があります。
日柄面ではちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たし、水準面では第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値に一致しています。

※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。なお目先160.135円を上抜くようなら8年サイクル高値は後ずれしますが、オーブ(誤差期間)を加味しても、ドル/円は24年10月までに8年サイクル高値を付ける見込みです。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。

160.135円をB波終点とみなすと、B波の長さはA波に対し1.333倍になります。B波はA波の1倍超~1.382倍の範囲内で通常は決まりますが、今回のB波もノーマルな範囲内に収まっています。ちなみにA波の1.382倍ならB波トップの目標値は161.350円です。

160.135円(4/29)からC波による下落局面(ドル安・円高)が進行中とみられます。
このC波は今後140円~135円を試す可能性がある、と筆者はみています。

【日足・エリオット波動分析】
23年1月以来のB波によるドル/円上昇は、[ダブル・ジグザグ]編成で160.135円(4/29)を以て完了したとみられます。

あるいは、151.844円(5/3)から最後のドル高・円安であり、前出の[161.350円]を試すかもしれません。

このように短期の見通しにはオプションがありますが、筆者の大局観は変わりません。

4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒160円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安プチバブル』とも呼べる過剰な円安ですが、それも今後は修正されていくと思われます。


[日米実質金利差による推計値]…148.700円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでおり、そうなれば日米実質金利差の縮小に沿ってドル/円は150円を下回っていくでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】
160.135円(4/29)から151.844円(5/3)までの下落(円高)は第ⅰ波(リーディング・ダイアゴナル)、そこからは第ⅱ波の戻り局面に位置付けられます。

第ii波は[ジグザグ](a-b-c)編成、154.500円(6/4)からはc波によるドル高・円安とみられます。

6月24日には1ドル=160円に急接近しました。第ⅱ波終点はおそらくこの辺りであり、まもなく第iii波によるドル安・円高が始まるでしょう。

一方、151.844円からのドル高・円安が[エンディング・ダイアゴナル]による第v波であるなら、ドル/円はいったん160.135円を上回るでしょう。その動きを以て23年1月以来のドル高・円安B波は完成することになります。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。

おそらく、今後の数週間以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。

なお派生的な見方として、「トライアングルはほぼ完成し、まもなくC波によるドル安が始まる」というものがあります。この見方によると、106.517(4/16)からのⓓ波は103.993(6/4)で完了し─ⓓ波の下げ幅がかなり小さい印象はありますが─今はトライアングル中最後のⓔ波が終わりつつある、ということになります。




エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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