エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月21日更新
2024/06/21 12:21
宮田レポート
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,600~40,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 36,000~39,600ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から[(ダブル)ジグザグ]による調整が進行中とみられます。その波動の位置付けとしては、インターミディエイト級第(3)波におけるマイナー級第4波、あるいはインターミディエイト級の第(4)波と思われます。
TOPIX、コア30など他チャートと照らし合わせ相互に検討した結果、「マイナー級第4波による調整」という見方を優先的に採用します(もちろん今後の展開次第で適宜、カウントを見直していきます)。
今は4年サイクル底へ向けた下げであり、底打ち時期は7月~11月※とみています。
※4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点が今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
3月高値からの急落(ジグザグ・W波)は100日MAにサポートを受け、36,733円(4/19安値)からリバウンドとなっていました。後述しますが、このリバウンド(X波)はトライアングルを形成中とみられます。
X波・トライアングルは、今後数日内にも完成し、その後はY波による下落が続くでしょう。このY波により日経平均は、200日MA※へ下押す可能性があります。
※100日MA…38,606円
200日MA…35,757円 (ともに6/20大引け時点)

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
3月高値からの下げは、[ダブル・ジグザグ](W-X-Y)編成とみられます。
W波[ジグザグ]…41,087円(3/22高値)→36,733円(4/19安値)
X波[トライアングル]…36,733円(4/19安値)→?円
X波・トライアングルはⓐ~ⓔ波から成り立ち、37,950円(6/12安値)からはⓔ波による上昇とみられます。ⓔ波の想定レンジは38,800円~39,000円です。
ⓔ波を以てX波は完成し、そこからは再び[ジグザグ]によるY波の下げが想定されます。37,950円を下抜くとY波開始のシグナルが点灯します。
なおⓔ波が39,336円(6/11高値)を上抜くことはないはずです。
この見通しと異なり、39,336円を上抜くようですとトライアングル説は否定されます。この場合は別の見方が必要になります。
[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波を展開中とみています。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。
22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]。そのうち、23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。
そして、このY波は40,077ドル(5/20高値)で天井を打ち、➃-(C)波による下落が始まったかもしれません。この見方は37,611ドル(4/18安値)を下抜くことにより強められ、NYダウは当面、200日MA※を目指し下落していく展開が想定されます。
※200日MA…37,058ドル(6/20)
採用銘柄にエヌビディアを持たないNYダウ(ダウ工業株30種平均)は景気動向に敏感な指数です。
ナスダックやS&P500に先行して高値を付けたNYダウは、米景気後退入りのリスクを事前に察知している可能性があります。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
40,077ドル(5/20高値)から38,000ドル(5/30安値)までは第(ⅰ)波による下落、そこから第(ⅱ)波によるリバウンドと位置付けられます。
6月20日には一時39,232ドルと、黄金比の節目[39,284ドル](5月高値からの下げに対する61.8%戻り)に近づきました。
第(ii)波リバウンドは終わりつつあるようです。
38,000ドルを下抜くと、ネックラインから下放れ開始となり、第(iii)波の下げに入ったとみられます。
第(iii)波にNYダウは、短期的にも37,611ドル(4/18安値)を試すでしょう。
一方37,611ドルが維持される限り、上値追いのチャンスは引き続き残っています。
仮に3月高値からの(b)波を「ランニング・トライアングル」とみれば、38,000ドル(5/30安値)からはトライアングル中d波に位置付けられます。この場合、来るe波の下げによっても38,000ドルは維持され、40,077ドルを上抜くような、「最後の上昇」があるでしょう。
[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
➃-(B)波による上昇は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成です。今年4月安値(15,222)からは、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波による上昇とみられます。
そしてⓒ波完了に必要な、(ⅰ)波~(ⅴ)波の五つの波動は、足元までにすべて揃っています。MACDやRSIなどの指標は極端な「買われ過ぎ」を示しており、上昇トレンド終了は時間の問題とみられます。
6月11日~12日のギャップ(17,345-17,490)を早々に埋める動きがあると、上昇トレンド終了が示唆され、まずは16,500処への調整リスクがあります。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。
22年10月安値(2089)以来の上昇は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成となっています。そして今年4月安値(4287)からの上昇は、Y波中ⓒ波の上昇に位置付けられます。
このⓒ波を構成する必要な5つの波はすべて揃っています。MACDやRSIなどの指標は極端に「買われ過ぎ」を示しています。SOX指数の天井は近い、と思われます。
6月11日~12日のギャップ(5374-5452)は、上昇トレンド最後の”exhaustion gap”として注目できます。早々にギャップ埋めがあると上昇トレンド終了が暗示され、当面5000処への下振れリスクがあります。
[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近の34年ぶりドル高・円安も基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。
【月足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)以来、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波が進行中です。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。
ドル/円は4月29日の160.135円を以て、8年サイクル高値※を付けた可能性があります。
日柄面ではちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たし、水準面では第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値に一致しています。
※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。8年サイクルのオーブ(誤差期間)を加味しても、ドル/円は24年10月までに天井を付ける見込みです。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
160.135円をB波終点とみなすと、B波の長さはA波に対し1.333倍になります。B波はA波の1倍超~1.382倍の範囲内で通常は決まりますが、今回のB波もノーマルな範囲内に収まっています。ちなみにA波の1.382倍ならB波トップの目標値は161.350円です。
160.135円(4/29)からC波による下落局面(ドル安・円高)が進行中とみられます。
このC波は今後140円~135円を試す可能性がある、と筆者はみています。

【日足・エリオット波動分析】
23年1月以来のB波によるドル/円上昇は、[ダブル・ジグザグ]編成で160.135円(4/29)を以て完了したとみられます。
あるいは151.844円(5/3)からは最後のドル高・円安であり、前出の[161.350円]を試すかもしれません。
このように短期の見通しにはオプションがありますが、筆者の大局観は変わりません。
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒160円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安プチバブル』とも呼べる過剰な円安ですが、それも今後は修正されていくと思われます。
[日米実質金利差による推計値]…148.960円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでおり、そうなれば日米実質金利差の縮小に沿ってドル/円は150円を下回っていくでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】
160.135円(4/29)から151.844円(5/3)までの下落(円高)は第ⅰ波(リーディング・ダイアゴナル)、そこからは第ⅱ波の戻り局面に位置付けられます。
第ii波は[ジグザグ](a-b-c)編成、154.500円(6/4)からはc波によるドル高・円安とみられます。
6月21日には1ドル=159円を一時回復し、a波とc波が等しく上がる水準[159.360円]に近づきました。第ii波はまもなく完成し、来週にも第iii波によるドル安・円高が始まっておかしくありません。
一方、151.844円からのドル高・円安を[エンディング・ダイアゴナル]による第v波と読むことも可能です。この場合、ドル/円はいったん160.135円を上回りますが、その動きを以て23年1月以来のドル高・円安B波は完成することになります。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。
おそらく数週間~1カ月以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
なお派生的な見方として、「トライアングルはほぼ完成し、まもなくC波によるドル安が始まる」というものがあります。この見方によると、106.517(4/16)からのⓓ波は103.993(6/4)で完了し─ⓓ波の下げ幅がかなり小さい印象はありますが─今はトライアングル中最後のⓔ波が終わりつつある、ということになります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,600~40,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 36,000~39,600ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から[(ダブル)ジグザグ]による調整が進行中とみられます。その波動の位置付けとしては、インターミディエイト級第(3)波におけるマイナー級第4波、あるいはインターミディエイト級の第(4)波と思われます。
TOPIX、コア30など他チャートと照らし合わせ相互に検討した結果、「マイナー級第4波による調整」という見方を優先的に採用します(もちろん今後の展開次第で適宜、カウントを見直していきます)。
今は4年サイクル底へ向けた下げであり、底打ち時期は7月~11月※とみています。
※4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点が今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
3月高値からの急落(ジグザグ・W波)は100日MAにサポートを受け、36,733円(4/19安値)からリバウンドとなっていました。後述しますが、このリバウンド(X波)はトライアングルを形成中とみられます。
X波・トライアングルは、今後数日内にも完成し、その後はY波による下落が続くでしょう。このY波により日経平均は、200日MA※へ下押す可能性があります。
※100日MA…38,606円
200日MA…35,757円 (ともに6/20大引け時点)

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
3月高値からの下げは、[ダブル・ジグザグ](W-X-Y)編成とみられます。
W波[ジグザグ]…41,087円(3/22高値)→36,733円(4/19安値)
X波[トライアングル]…36,733円(4/19安値)→?円
X波・トライアングルはⓐ~ⓔ波から成り立ち、37,950円(6/12安値)からはⓔ波による上昇とみられます。ⓔ波の想定レンジは38,800円~39,000円です。
ⓔ波を以てX波は完成し、そこからは再び[ジグザグ]によるY波の下げが想定されます。37,950円を下抜くとY波開始のシグナルが点灯します。
なおⓔ波が39,336円(6/11高値)を上抜くことはないはずです。
この見通しと異なり、39,336円を上抜くようですとトライアングル説は否定されます。この場合は別の見方が必要になります。
[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波を展開中とみています。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。
22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]。そのうち、23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。
そして、このY波は40,077ドル(5/20高値)で天井を打ち、➃-(C)波による下落が始まったかもしれません。この見方は37,611ドル(4/18安値)を下抜くことにより強められ、NYダウは当面、200日MA※を目指し下落していく展開が想定されます。
※200日MA…37,058ドル(6/20)
採用銘柄にエヌビディアを持たないNYダウ(ダウ工業株30種平均)は景気動向に敏感な指数です。
ナスダックやS&P500に先行して高値を付けたNYダウは、米景気後退入りのリスクを事前に察知している可能性があります。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
40,077ドル(5/20高値)から38,000ドル(5/30安値)までは第(ⅰ)波による下落、そこから第(ⅱ)波によるリバウンドと位置付けられます。
6月20日には一時39,232ドルと、黄金比の節目[39,284ドル](5月高値からの下げに対する61.8%戻り)に近づきました。
第(ii)波リバウンドは終わりつつあるようです。
38,000ドルを下抜くと、ネックラインから下放れ開始となり、第(iii)波の下げに入ったとみられます。
第(iii)波にNYダウは、短期的にも37,611ドル(4/18安値)を試すでしょう。
一方37,611ドルが維持される限り、上値追いのチャンスは引き続き残っています。
仮に3月高値からの(b)波を「ランニング・トライアングル」とみれば、38,000ドル(5/30安値)からはトライアングル中d波に位置付けられます。この場合、来るe波の下げによっても38,000ドルは維持され、40,077ドルを上抜くような、「最後の上昇」があるでしょう。
[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
➃-(B)波による上昇は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成です。今年4月安値(15,222)からは、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波による上昇とみられます。
そしてⓒ波完了に必要な、(ⅰ)波~(ⅴ)波の五つの波動は、足元までにすべて揃っています。MACDやRSIなどの指標は極端な「買われ過ぎ」を示しており、上昇トレンド終了は時間の問題とみられます。
6月11日~12日のギャップ(17,345-17,490)を早々に埋める動きがあると、上昇トレンド終了が示唆され、まずは16,500処への調整リスクがあります。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。
22年10月安値(2089)以来の上昇は、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成となっています。そして今年4月安値(4287)からの上昇は、Y波中ⓒ波の上昇に位置付けられます。
このⓒ波を構成する必要な5つの波はすべて揃っています。MACDやRSIなどの指標は極端に「買われ過ぎ」を示しています。SOX指数の天井は近い、と思われます。
6月11日~12日のギャップ(5374-5452)は、上昇トレンド最後の”exhaustion gap”として注目できます。早々にギャップ埋めがあると上昇トレンド終了が暗示され、当面5000処への下振れリスクがあります。
[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近の34年ぶりドル高・円安も基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。
【月足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)以来、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波が進行中です。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。
ドル/円は4月29日の160.135円を以て、8年サイクル高値※を付けた可能性があります。
日柄面ではちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たし、水準面では第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値に一致しています。
※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。8年サイクルのオーブ(誤差期間)を加味しても、ドル/円は24年10月までに天井を付ける見込みです。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
160.135円をB波終点とみなすと、B波の長さはA波に対し1.333倍になります。B波はA波の1倍超~1.382倍の範囲内で通常は決まりますが、今回のB波もノーマルな範囲内に収まっています。ちなみにA波の1.382倍ならB波トップの目標値は161.350円です。
160.135円(4/29)からC波による下落局面(ドル安・円高)が進行中とみられます。
このC波は今後140円~135円を試す可能性がある、と筆者はみています。

【日足・エリオット波動分析】
23年1月以来のB波によるドル/円上昇は、[ダブル・ジグザグ]編成で160.135円(4/29)を以て完了したとみられます。
あるいは151.844円(5/3)からは最後のドル高・円安であり、前出の[161.350円]を試すかもしれません。
このように短期の見通しにはオプションがありますが、筆者の大局観は変わりません。
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒160円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安プチバブル』とも呼べる過剰な円安ですが、それも今後は修正されていくと思われます。
[日米実質金利差による推計値]…148.960円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでおり、そうなれば日米実質金利差の縮小に沿ってドル/円は150円を下回っていくでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】
160.135円(4/29)から151.844円(5/3)までの下落(円高)は第ⅰ波(リーディング・ダイアゴナル)、そこからは第ⅱ波の戻り局面に位置付けられます。
第ii波は[ジグザグ](a-b-c)編成、154.500円(6/4)からはc波によるドル高・円安とみられます。
6月21日には1ドル=159円を一時回復し、a波とc波が等しく上がる水準[159.360円]に近づきました。第ii波はまもなく完成し、来週にも第iii波によるドル安・円高が始まっておかしくありません。
一方、151.844円からのドル高・円安を[エンディング・ダイアゴナル]による第v波と読むことも可能です。この場合、ドル/円はいったん160.135円を上回りますが、その動きを以て23年1月以来のドル高・円安B波は完成することになります。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。
おそらく数週間~1カ月以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
なお派生的な見方として、「トライアングルはほぼ完成し、まもなくC波によるドル安が始まる」というものがあります。この見方によると、106.517(4/16)からのⓓ波は103.993(6/4)で完了し─ⓓ波の下げ幅がかなり小さい印象はありますが─今はトライアングル中最後のⓔ波が終わりつつある、ということになります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
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