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ECB理事会メンバーや日銀正副総裁の発言が材料になるか

2024/05/27 08:43

【ポイント】
ECB理事会メンバーは今後のECB利下げペースについて手掛かりを提供するか
・日銀総裁や副総裁は追加利上げなどについて言及するか
・米英祝日で外為市場では流動性が低下

 (欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/カナダドルは1.36477カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.08524ドル、英ポンド/米ドルは1.27454ドル、豪ドル/米ドルは0.66309米ドルへと上昇しました。米国の5月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は69.1と、市場予想の67.5を上回りました。ただ、1年先と5年先のインフレ期待が速報値から下方修正され、市場ではそのことが強く意識されたようです。インフレ期待の結果は、1年先が3.3%(速報値:3.5%)、5年先が3.0%(同3.1%)でした。

(本日の相場見通し)

市場では、ECB(欧州中銀)は次回6月6日のECB理事会で利下げを行うとの見方が大勢です。

ECB(欧州中銀)理事会メンバーは週末に相次いで市場の6月利下げ観測を補強する発言をしました。ナーゲル・ドイツ連銀総裁は24日に「現状が維持されれば、6月に最初の金利調整に踏み切る可能性が高まる」と述べ、パネッタ・イタリア中銀総裁は25日に「(ECB理事会内で)利下げの必要性についてコンセンサスが高まっている」との認識を示しました。チポローネECB専務理事は26日に「(景気)抑制的な金融政策スタンスを巻き戻すこと(利下げ)ができるとの確信を強めている」と述べました。

市場の関心は“ECBが6月に利下げするかどうか”から“7月以降の利下げペース”へと移りつつあります。

本日、レーンECB専務理事ホルツマン・オーストリア中銀総裁ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が講演します。講演では、7月以降の利下げペースについての手掛かりが提供されるかどうかに注目です。レーン専務理事らが利下げは緩やかに進める必要があるとの認識を示せば、ユーロにとってプラスになりそうです。

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日銀金融研究所主催の国際コンファレンスが開かれます。コンファレンスでは、日銀の植田総裁が日本時間午前9時5分から開会の挨拶をし、内田副総裁が同午前11時5分から講演する予定です。植田総裁や内田副総裁が日銀の追加利上げや国債買い入れ方針について言及するかどうかに注目です。言及すれば材料になりそうです。

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本日は、米国がメモリアルデーの、英国がスプリングバンクホリデーの祝日です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。

※「トラリピCFD(店頭CFD取引)」の取引時間については、[【重要】トラリピCFD(2024年5月・6月)の取引時間等について]をご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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