燻(くす)ぶる為替介入の観測、次はあるか
2024/05/09 08:02
【ポイント】
・米ドル/円は2日の為替介入(?)後の61.8%戻しに接近
・29日の介入後の経験則に従えば、介入があってもおかしくない
・本邦当局は市場に対して強い意思をみせるか
・重要なカギを握る米経済指標
米ドル/円がジリジリと上昇しており、本邦当局による為替介入に対する警戒感が根強くあるようです。鈴木財務相は「(為替介入の判断は)水準ではない」と繰り返しており、また為替介入を受けた一時的な米ドル/円の下落を除けば、「過度な変動」とも言えない状況かもしれません。

それでも、本邦当局の意向や為替介入の効果を軽視するかのような米ドル/円の上昇に対して、当局者も快くは思っていないでしょう。「次」はあるのか、考察してみました。
*******
米ドル/円は2日早朝の為替介入による下落分の半値戻しを8日に達成し、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%戻しに接近しています(3日の米ドル/円の下落は雇用統計によるものとして判断の対象外としました、以下同じ)。

2日早朝の為替介入は、FOMCの結果判明後、パウエル議長の記者会見終了から40分後というタイミングで実施されました。この時の米ドル/円は4月29日の為替介入による下落分の半値戻しを前日に達成し、フィボナッチの61.8%戻しに接近している状況でした。

単なる偶然かもしれませんが、当時の経験に基づくならば、為替介入があってもおかしくない状況と言えそうです。
もっとも、米ドル/円が軟調に推移すれば、当然のことながら為替介入は実施されないでしょう。それには米経済指標が重要なカギを握っていそうです。22年9-10月の為替介入によって米ドル/円はいったん下落基調に転じましたが、それを後押ししたのが11月10日に発表された10月の米CPIでした。CPIが市場予想を下回ったことでFRBの利上げ観測が後退、米長期金利(10年物国債利回り)が大幅に低下しました。
米金融政策見通しがどう変化するか(もちろん、日銀の金融政策見通しも重要ではありますが・・)。今後の経済指標、目先的には15日発表の4月CPIに要注目でしょう。
・米ドル/円は2日の為替介入(?)後の61.8%戻しに接近
・29日の介入後の経験則に従えば、介入があってもおかしくない
・本邦当局は市場に対して強い意思をみせるか
・重要なカギを握る米経済指標
米ドル/円がジリジリと上昇しており、本邦当局による為替介入に対する警戒感が根強くあるようです。鈴木財務相は「(為替介入の判断は)水準ではない」と繰り返しており、また為替介入を受けた一時的な米ドル/円の下落を除けば、「過度な変動」とも言えない状況かもしれません。

それでも、本邦当局の意向や為替介入の効果を軽視するかのような米ドル/円の上昇に対して、当局者も快くは思っていないでしょう。「次」はあるのか、考察してみました。
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米ドル/円は2日早朝の為替介入による下落分の半値戻しを8日に達成し、フィボナッチ・リトレースメントの61.8%戻しに接近しています(3日の米ドル/円の下落は雇用統計によるものとして判断の対象外としました、以下同じ)。

2日早朝の為替介入は、FOMCの結果判明後、パウエル議長の記者会見終了から40分後というタイミングで実施されました。この時の米ドル/円は4月29日の為替介入による下落分の半値戻しを前日に達成し、フィボナッチの61.8%戻しに接近している状況でした。

単なる偶然かもしれませんが、当時の経験に基づくならば、為替介入があってもおかしくない状況と言えそうです。
もっとも、米ドル/円が軟調に推移すれば、当然のことながら為替介入は実施されないでしょう。それには米経済指標が重要なカギを握っていそうです。22年9-10月の為替介入によって米ドル/円はいったん下落基調に転じましたが、それを後押ししたのが11月10日に発表された10月の米CPIでした。CPIが市場予想を下回ったことでFRBの利上げ観測が後退、米長期金利(10年物国債利回り)が大幅に低下しました。
米金融政策見通しがどう変化するか(もちろん、日銀の金融政策見通しも重要ではありますが・・)。今後の経済指標、目先的には15日発表の4月CPIに要注目でしょう。
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