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米PCEデフレーターに注目! 市場が反応しそう

2024/03/29 08:42

【ポイント】
PCEデフレーターで市場のFRBの利下げ観測が変化するか
FRB議長は金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供するか
・多くの国が祝日で市場の流動性が低下、値動きが増幅される可能性も

(欧米市場レビュー)

28日の欧米時間の外為市場では、カナダドルが堅調に推移。一時、カナダドル/円は111.799円へと上昇し、米ドル/カナダドルは1.3525.カナダドルへと下落しました。カナダの1月GDP(国内総生産)が前月比0.6%と市場予想の0.4%を上回ったことや、原油価格の上昇が、カナダドルの支援材料となりました。

米ドルも対円や対カナダドルを除いて堅調。一時、ユーロ/米ドルは1.07731ドル、英ポンド/米ドルは1.25843ドル、豪ドル/米ドルは0.64788米ドル、NZドル/米ドルは0.59501米ドルへと下落しました。ウォラーFRB(米連邦準備理事会)理事が27日(日本時間28日午前)に、「現在の景気抑制的な政策金利(の水準)をこれまでの予想よりも長期間維持することが賢明だと考えている」、「米経済指標は、年内の利下げ回数を減少させるのが可能なことを示唆している」などと述べたことが、米ドルの支援材料となりました。

米ドル/については、本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感が上値を抑え、おおむね151.100~151.500円のレンジで推移しました。

(本日の相場見通し)

米国の2月PCE(個人消費支出デフレーター)が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応しそうです。

PCEデフレーターの市場予想は、総合指数が前年比2.5%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同2.8%。総合指数の上昇率は1月の2.4%から若干高まり、コア指数の上昇率は1月と同じになるとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、27日時点で市場が織り込む利下げの確率は、次回4月30日-5月1日のFOMCで10%程度、6月11-12日までで70%程度です。

PCEデフレーターが市場予想を上回る結果になれば、利下げ観測が後退しそうです。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下落すると考えられます。米ドル/カナダドルは、1.36212カナダドル(23/11/30高値)が目先の上値メドです。

パウエルFRB議長が講演します(日本時間30日00:30)。パウエル議長は19-20日のFOMC後の会見で、「年内のある時点で利下げを行う可能性が高い」、「将来の会合(FOMC)については何も決定せず、データ次第」、「インフレの抑制に向けた良好な進展は継続している」などと述べました。パウエル議長の講演でFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されれば、材料になりそうです。

本日は、英・ドイツ・カナダ・豪州・NZ・メキシコ・南アフリカなどがグッドフライデーの祝日です(米国では一部の州が祝日)。米国の株式市場と債券市場は休場です。外為市場では参加者が減少して流動性が低下するため、値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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