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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※4月19日更新

2024/04/19 12:51

宮田レポートPDF


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~38,500円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,000~39,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~155.150円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350



[日経平均]


【週足・エリオット波動分析】
24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

41,087円(3/22高値)から(3)-4波による調整局面が進行中とみられます。

(3)-2波は、およそ半年間の[フラット]でした。3月高値からの (3)-4波は、[オルタネーション(交互)]により、 [ジグザグ]か[トライアングル]をおそらく形成するでしょう。

その下値レンジとして筆者は、3万7000円~3万5000円を有力視しています。

ところで20年3月以来の4年サイクルが終わるのは─相場の底入れは─いつ頃でしょうか?
4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は、8カ月(48カ月の六分の一)です。ここからすると、20年3月から4年8カ月が経過する時点、つまり今年11月までに、(3)-4波による調整は終わるとみることができます。筆者は特に、6月頃の底打ちを有力視しています。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)から第4波による調整が進行中とみられます。
4月19日前引けの日経平均は3万7000円を下回り、下げ幅(1260円)は今年最大です。3月高値からの下げ率は10%を上回り(ザラバベースで▼10.60%)、定義上の「調整局面」に入りました。日経平均は今年最大のリスクオフ局面を迎えています。

足元テクニカルは「下がり過ぎ」を示し、日足は100日MA(36,707円)に近づいています。したがって、急落に対するリバウンドはいつ起きてもおかしくないでしょう。昨年6月から10月までの停滞期においても、8月下旬に100日MAがサポートとして意識され(チャートに↑で示した時点)、日経平均は9月下旬までリバウンドとなりました。

これから5月中旬まで決算発表シーズンとなります。今後1カ月程度は「指数より個別銘柄物色」という流れが強まり、指数自体の方向感は出づらいかもしれません。

もっとも決算シーズン後の材料難のなか、日経平均は改めて調整色を強める可能性があります。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
日経平均は4月19日前場に一時36,733円まで下げました。第4波安値に相応しい水準は、3万7000円~3万5000円と思われます。この領域に、直近の日経平均は入り始めています。

[36,984円-35,657円]…第(iii)波のレッサー・ディグリーⅳ波領域
[35,813円]…マルv波上昇の半値(50%)押し水準
[35,371円]…1月18日安値
[35,179円]…上昇第3波(22年10月3日・25,621円が起点)の38.2%押し水準
[34,924円]…高値から15%下げ

[200日MA=34,519円]
[32,870円]…高値から20%下げ
【4月19日 12:21更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)から5カ月間にわたる(B)-C波によるラリーは、3月高値(39,889ドル)で終わり─日経平均同様に春分の日付近で付けています─(C)波による下落トレンドが始まった可能性が高い、とみられます。

(C)波は5つの波で構成され、(A)波(22年1月高値・36,952ドル⇒22年10月安値・28,660ドル)の22.44%下落に匹敵するか、あるいはそれ以上の大きな下落スケールになるでしょう。例えば[エクスパンディッド・フラット]の場合だと、NYダウは先々で22年10月安値(28,660ドル)を下回るでしょう。

当面のサポートレベルとしては3万7000ドル処が強そうです。そこには[36,952ドル](22年1月高値)と[37,000ドル](23年10月からの上昇の38.2%押し)が重なっています。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
23年10月安値(32,327ドル)からの(B)-C波による上昇(5波構成)は、39,889ドル(3/21高値)で終了し、(C)波による調整局面が進行中とみられます。

4月17日にNYダウは一時37,611ドルまで下げました。上昇C波レッサー・ディグリー(iv)波領域[37,790ドル-37,122ドル]に入りました。

このレンジの下限近くには、先に書いたチャート節目の3万7000ドル処が控えており、当面の強いサポートレベルとみられます。

もっとも、ここからの上昇は結局は一時的リバウンドにとどまり、リバウンド後には本格的な急落局面を迎えると思われます。
【4月19日8:55更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

22年10月安値から➃-(B)波による上昇は、16,538(3/21高値)を以て完了し、➃-(C)波による下落トレンドが始まった可能性があります。そうであれば、この先ナスダックは [12,000-10,000]へ向けた調整となりそうです。

ナスダックは[エンディング・ダイアゴナル]から下放れとなっており─4月18日には2カ月ぶり安値(15,587)へ下げています─速やかに15,158(ダイアゴナル始点)まで下げると思われます。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

4月17日にSOX指数は注目の4620(3/19安値)を下回り、翌18日には一時4474まで下げています。5217(3/8高値)からの下げ率は14%を上回り、(C)波による調整が進行中という見方はさらに強化されました。
(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(2089)からはプライマリー第➄波であり、23年10月安値からの上昇は「➄波-5波」に相当します。➄波に続いて起きるサイクル級の調整局面は、2027-28年まで続くと思われます。
【4月19日 9:21更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近は34年ぶりドル高・円安となっていますが、それも基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するでしょう。

なお、ドル/円天井(B波終了)のタイミングは今月(24年4月)かもしれません。
およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月が経過する時点が、24年4月となります。

今月は90年6月以来34年ぶりに1ドル=154円台を回復しています。ドル/円は8年サイクル高値をいつ付けてもおかしくありません。
※ドル/円の見通しについては、4月4日発行のマンスリー・フォーカスも併せてお読みください。

【週足・エリオット波動分析】 
23年1月(127.158円)以来のドル/円の波動構成は、波の重なりが多いチョッピー(choppy)なものです。これはつまり、23年1月からのドル/円上昇は推進波(5波構成)ではなく、修正波としてのB波であることを意味するものです。

「4月に153円-155円を打診する」という見通しは既に達成され、B波はいつ「不規則天井(イレギュラートップ)」を付けてもおかしくありません。

B波が終わると次はC波によるドル/円下落が予想されます。C波によりドル/円は135円-130円を目指す、とみられます。

今月中に1ドル=155円、という可能性をみながらも、ここからは円安から円高への基調転換に備えたいところです。

【日足・エリオット波動分析】
127.158円(23/1/16)からのB波は[不規則天井(イレギュラートップ)]を付けにいくところです。
不規則天井は「強気のワナ(Bull trap pattern)」として知られ、天井を付けてまもなく、逆方向への急激な反動を伴うことが珍しくありません。

今回のドル/円34年ぶり高値は「強気のワナ」となり、遠からずドル/円は急落局面を迎える可能性があります。

上述したように、B波の波動構成はチョッピーなものであり、パターンは[ダブル・ジグザグ]とみられます。

ドル/円はいつ高値を付けてもおかしくありませんが、特に155円処はチャート節目として要注目です。

[154.877円]…137.239円(23/7/14)からのN計算値
[155.129円]…二つのジグザグ(ⓦ波とⓨ波)が等しく上がるN計算値

※4月16日には一時154.743円を付けています。

【時間足・エリオット波動分析】 
137.239円(23/7/14)から二番目のジグザグ(a)-(b)-(c)が進行中であり、140.244円(12/28)からは(c)波による上昇とみられます。この(c)波を構成する5つの波のうち第v波が、146.431円(3/8)から展開中でしょう。

直近でドル/円は154円台を回復し、155円処のターゲットに肉薄しています。目先的に152.800円処を維持する限り、ドル/円の上昇基調も続くと思われます。

その反面、152.800円処を下回ると、それはドル/円ピークの最初の示唆になるでしょう。
【4月19日10:34更新】

[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
ドル指数は、4月16日に一時106.717まで上昇しました。注目のチャート節目[106.717]が視野に入っています。

[106.717]…昨年12月安値(100.617)から今年2月高値(104.976)までの(w)波と、今年3月安値(102.358)からの(y)波が、等しく上がる水準

筆者にとって3月以降のドル高はやや意外感があり、従前の波動カウントの他に、オプションを用意する必要があるようです。それらを以下にあげておきます。

(波動カウント1)
昨年12月安値からはC-マルii波によるリバウンドです。ドル高は近々終わり、その後はマルiii波によるドル安が到来するでしょう。そしてマルiii波によって、昨年12月安値(100.617)も7月安値(99.578)も、破られることでしょう。

(波動カウント2)
最初のオプションは、昨年7月安値以来のB波が[トライアングル](ⓐ~ⓔ)を形成している、というものです。現在はB波中ⓒ波のドル高局面に相当し、まもなくⓓ波のドル安に移ります。

なおこれらの波動カウントは、昨年10月高値(107.348)を上回らないことが前提です。
107.348を上回るケースでは、次のオプションが採用されます。

(波動カウント3)
昨年7月安値以来のB波が[ジグザグ](ⓐ-ⓑ-ⓒ)で展開中です。昨年12月安値からはⓒ波によるドル高局面です。この波動カウントが正しい場合、ドル安C波開始は先送りされます。
【4月19日11:13更新】



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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