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米CPIと英雇用統計に注目!

2024/03/12 08:49

【ポイント】
・市場のFRBBOEの金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

11日の欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は146.473円、ユーロ/円は160.159円、豪ドル/円は96.851円、NZドル/円は90.415円へと下落し、ユーロ/円と豪ドル/円、NZドル/円は2月8日以来の安値をつけました。日銀が18-19日の金融政策決定会合で金融政策を修正する(マイナス金利の解除など)との観測が、引き続き円の支援材料となりました。

本日12日の『ファンダメ・ポイント』は、[日銀が利上げを続ける条件とは?]です。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の2月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。物価の動向は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策に影響を与えるため要注目です。

パウエルFRB議長は7日の議会証言で、利下げに関して「(米国の)インフレ率が持続的に2%に向かっていると一層の確信が得られるのを待っている」と述べ、「確信が得られるのは、そう遠くない」と語りました。

市場では、FRBは6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は、3月18-19日のFOMCで2%、4月30日-5月1日までで24%程度、6月11-12日までで68%程度です。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.1%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同3.7%です。上昇率は総合指数が前月と同じとなり、コア指数は前月の3.9%から鈍化するとみられています。市場予想を下回る結果になれば、利下げ観測が強まるとともに、米ドルが軟調に推移しそうです。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上昇すると考えられます。米ドル/200日移動平均線を割り込むかもしれません。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、200日MAが“分水嶺”となりそう]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

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英国の1月雇用統計が本日発表されます(日本時間16:00)。雇用統計の市場予想は、ILO基準の失業率が3.8%、週平均賃金(賞与を除く)が前年比6.2%です。

市場では、BOE(英中銀)は6月か8月に利下げを行うとの観測があります。雇用統計が市場予想よりも弱い結果になれば、6月の利下げ観測が強まる可能性があり、その場合には英ポンドが軟調に推移しそうです。ユーロ/英ポンドは、0.85730ポンド(2/20高値)が上値メドです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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