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もう一つの大統領選挙・・・ロシア

2024/03/06 07:28

【ポイント】
・3月15-17日に投票。有権者は18歳以上の約1.1億人
・プーチン氏の勝利が確実
・ウクライナ侵攻を正当化する手段か

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3月に大統領選挙が実施されます。もちろん米国ではなくロシアです。以下では、その仕組みと注目点を概観しておきましょう。

ロシア大統領選挙は3月15-17日に実施されます。どの候補も過半数の票を獲得できなければ、4月7日に決選投票が行われます(その可能性はほぼゼロ)。そして、当選者は5月7日に次期大統領に就任します。有権者は18歳以上でロシアおよびウクライナのロシア併合地域に住む約1億1,200万人と海外居住のロシア国民約200万人。

5期目を目指すプーチン氏
もっとも大統領選挙はあくまで「形式」に過ぎず、プーチン氏の再選が確実です。20年の憲法改正により、大統領をすでに2期12年務めているプーチン氏の再選が可能となりました(※)。今回の選挙では、手続き不備などを理由に反体制派の立候補は認められませんでした。体制内野党から3人が立候補していますが、あくまで「選挙らしく」するためだけと言えそうです。プーチン氏は、12年の大統領選挙での得票率が64.35%、18年は77.53%でした。

(※)憲法改正では、大統領の就任回数を2回に制限する一方で、現職大統領や大統領経験者は制限の対象外となりました。なお、プーチン大統領の任期は2000-08年、12年-現在。3月に当選すれば通算5期目になります。

ウクライナ侵攻の正当化!?
大統領選挙はプーチン氏に対する信任投票の意味合いが強そうです。そして、プーチン氏への投票はウクライナ侵攻に対する支持とも受け取れます。もっとも、反体制派が立候補できなかったため、「ウクライナ特別軍事作戦」に反対する候補はいません。選挙の公平性自体に疑問符がつくなか、結局のところウクライナ侵攻を今も国民の大半が支持しているという形が整うだけなのかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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