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米PCE、景気は堅調、インフレ再加速の可能性?

2024/03/01 07:58

【ポイント】
・インフレは全般に鈍化傾向続くも、FRBが注目する指標は小反発
・景気は年明け後も堅調を持続か
・市場は6月、9月、11月の利下げを予想

米国の1月のPCE(個人消費支出)デフレーターは前年比2.4%と、前月の2.6%から減速し市場予想と同じ。食料とエネルギーを除くコアは同2.8%と、前月の2.9%から減速しこちらも市場予想と同じでした。

PCEデフレーター

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目するPCEコアサービス(住居費を除く)は前年比3.5%と、約半年ぶりに前月(3.3%)から伸びが加速しました。コアサービス(住居費を除く)は、CPIベースでは昨年6月以降に伸びの鈍化が止まり、今年1月に大きく加速しました。PCEベースでは鈍化傾向が続いていましたが、1月に加速したことで、賃金上昇に伴うインフレ再加速の可能性に対してFRBは警戒を強めるかもしれません。

コアサービス 住居費除く

昨年10-12月期のGDPは前期比年率3.2%と、好調だった前期(4.9%)から減速したものの、比較的堅調でした。アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)に基づけば、2月29日時点(個人消費支出を反映)で今年1-3月期のGDPは前期比年率3.0%と堅調の持続が予測されています。今後の経済データ次第で予測は大きく変わる可能性はあるものの、足もとの景気は引き続き悪くありません。

2月29日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率は次回3月のFOMCで2%、5月までで24%、6月までで81%です。市場のメインシナリオ(確率50%超)は、「FRBは6月、9月、11月に0.25%の利下げ」です。PCE発表前と大きな違いはありません。

シャットダウンはいったん回避へ
米下院は2月29日(日本時間1日未明)、新たな継続(つなぎ)予算を可決。同夜にも上院が可決する見込み。その結果、3月2日のシャットダウン(政府機能の一部停止)は回避されるのがほぼ確実。新たな継続予算の期限は一部が3月8日、残りが同22日です。議会はその間に本予算の成立を目指します。ただ、本予算成立までにはまだまだ紆余曲折があるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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