マネースクエア マーケット情報

今週の注目点:政策会合前のインフレ指標

2024/02/26 08:00

【ポイント】
・日、米、ユーロ圏などのインフレ指標が発表される
・3月の政策会合での重要な判断材料に!?
・米PCEが上振れれば、6月利下げ観測がさらに後ズレも?

今週(2/26- )は主要国のCPI(消費者物価指数)などインフレ指標が発表されます。3月の政策会合での重要な判断材料になる可能性もあり、以下に概観しておきましょう。
<市場予想およびその他の主要経済指標・イベントについては、本日配信予定のマンスリー・アウトルック末尾の一覧表をご参照ください>

日本の1月CPI(27日08:30発表。日本時間、以下同じ)
CPI総合、コア(除く生鮮食品)、コアコア(除く生鮮食品・エネルギー)ともに前年比の鈍化が目立ってきました。総合とコアの市場予想は1.9%で、正しければ22年3月以来の2%割れとなります。
日銀は、「持続的・安定的に2%の物価目標は達成されていない」との見解を堅持しています。マイナス金利解除を視野に入れているなかで、皮肉にも日銀の見解を裏付ける結果になるかもしれません。日銀の金融政策決定会合は次回3月18-19日開催。

日本のCPI

米国の1月PCE(個人消費支出)デフレーター(29日22:30発表)
既に発表された1月CPIでは、インフレ鈍化のペースがやや落ちてきている様子が明らかになりました。とりわけ、最近のFRBは労働コストの上昇圧力に神経質となっており、コアサービス(住居費を除く)を重要視しているとされています。CPIコアサービス(住居費を除く)は昨年6月をボトムにジリジリと伸びが高まっており、1月は前年比4.4%まで加速しました。PCEコアサービス(住居費を除く)は昨年12月まで順調に伸びが鈍化しましたが、今年1月はどうなるでしょうか。FRBのFOMCは次回3月19-20日開催。

米PCE

米コアサービス 住居費を除く

ユーロ圏の2月CPI速報値(3月1日19:00、ドイツやフランスなどは29日発表)
ユーロ圏および域内主要国の2月CPI速報値が発表されます。欧州では22年秋にエネルギー価格が高騰した反動もあって、昨年はCPIの伸び鈍化がかなり鮮明でした。また、ドイツを始めとして景気は低迷しています。ECBは「利下げの議論は議事尚早」と繰り返していましたが、最近は多くの関係者が「夏ごろの利下げ」に言及しています。CPIの伸びが一段と鈍化すれば、市場の利下げ観測が一段と強まりそうです。ECB理事会は次回3月6-7日開催。

ユーロ圏 CPI
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ