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豪ドル/円やNZドル/円は一段と上昇するか

2024/02/22 09:10

【ポイント】
・主要国の株価が堅調に推移すれば、円安圧力が加わる可能性あり
・トルコ中銀の金融政策スタンスに変化がみられるどうか

(欧米市場レビュー)

21日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は150.347円、ユーロ/円は162.552円、豪ドル/円は95.529円、NZドル/円は92.924円へと上昇し、NZドル/円は15年1月以来、9年1カ月ぶりの高値をつけました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が堅調に推移するなかで米ドル/円が上昇し、対米ドルでの円売りが他通貨にも波及したと考えられます。

(本日の相場見通し)

本日22日午前6時20分頃(日本時間)、米国の大手半導体メーカーのエヌビディアの23年11月~24年1月期の決算が発表されました。売上高は「221.03億ドル」と市場予想の206.19億ドルを上回り、また2~4月期の売上高見通しは「240億ドルを中心にプラスマイナス2%」と市場予想(221.7億ドル)を上回りました。

本日は、日本や米国などの主要国の株価動向に注目です。エヌビディアの好決算が株式市場で意識されて、主要国の株価は堅調に推移する可能性があります。その場合、リスクオン(リスク選好)の動きが強まるとともに、円安圧力が加わって、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円、NZドル/円などは上値を試す展開になるかもしれません。NZドル/は、14年12月高値の93.990が上値メドです。

米国の経済指標が材料になる可能性があります。前週分の新規失業保険申請件数、2月の製造業やサービス部門のPMI(購買担当者景気指数)速報値、1月の中古住宅販売件数が本日発表されます。

市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・新規失業保険申請件数:21.8万件(21.2万件)
・製造業PMI:50.5(50.7)
・サービス部門PMI:52.0(52.5)
・中古住宅販売件数(年率換算):397万件(378万件)

米経済指標が市場予想より堅調な結果になれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退するかもしれません。その場合、米ドルが買われて、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇する可能性があります。米ドル/カナダドルは、引き続き1.36212カナダドル(23/11/30高値)が上値メドです。

***

TCMB(トルコ中銀)の政策会合が本日行われます。会合の結果は日本時間20時に発表される予定です。

TCMBはインフレの抑制に向けて23年6月から利上げを行っており、前回24年1月25日の会合では2.50%の利上げを実施しました。前回会合時の声明で「(今回の利上げで)ディスインフレの軌道を確立するために必要な金融引き締めは達成された」と表明。「月次のインフレ率の基調に大幅な鈍化がみられ、またインフレ期待が予測範囲に収束するまで、政策金利は現行水準に維持される」としました。

また、カラハンTCMB総裁(エルカン前総裁の辞任によって2/3に就任)は8日、「さらなる利上げが必要とは考えていない」と述べ、「政策金利は現在の水準で必要な限り維持する」と語りました。

本日の会合では、政策金利は現在の45.00%に据え置かれるとみられます。その通りの結果となり、政策金利は当面据え置くとのTCMBの金融政策スタンスに変化がみられなければ、トルコリラに大きな反応はなさそうです。

TCMBの政策金利とトルコのCPI(消費者物価指数)

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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