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米経済指標やFOMCメンバーの講演に注目!

2024/02/16 09:02

【ポイント】
PPIや消費者信頼感でFRBの利下げ観測が後退するか
・FOMCメンバーが金融政策について新たな手掛かりを提供するか

(欧米市場レビュー)

15日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は149.426円、米ドル/カナダドルは1.34608カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.07794ドル、NZドル/米ドルは0.61219米ドルへと上昇しました。米国の小売売上高や鉱工業生産(いずれも1月分)が市場予想を下回ったことや、米国の長期金利(10年物国債利回り)の低下が、米ドルの重石となりました。

小売売上高と鉱工業生産の結果は、以下の通り。( )は市場予想です。
・小売売上高(前月比):マイナス0.8%(マイナス0.1%)
・小売売上高(自動車を除く。前月比):マイナス0.6%(プラス0.2%)
・鉱工業生産(前月比):マイナス0.1%(プラス0.3%)

本日16日の『ファンダメ・ポイント』は、[米小売売上高、英GDP、ラガルド総裁、米商業不動産]です。

英ポンドも軟調。ユーロ/英ポンドは一時0.85651ポンドへと上昇しました。英国の23年10-12月期のGDP(国内総生産)速報値が前期比マイナス0.3%と、市場予想のマイナス0.1%よりも弱い結果だったことが、英ポンドの下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

この1週間で、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退しました。CMEのFedWatchツールによれば、市場が織り込む利下げの確率は、3月19-20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で1割程度、4月30-5月1日までで約4割、6月11-12日までで約8割(日本時間16日08:20時点)。2月8日時点では、3月が2割程度、5月までが約6割、6月までがほぼ100%でした。

米国の1月PPI(生産者物価指数)や2月のミシガン大学消費者信頼感(速報値)が本日発表されます。市場予想は、PPIの総合指数が前年比0.6%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同1.6%、ミシガン大学消費者信頼感指数が80.0です。ミシガン大学消費者信頼感指数では、ヘッドラインの数値の他に1年先と5年先のインフレ期待にも注目です。前月のインフレ期待は1年先と5年先のいずれも2.9%でした(2月分の市場予想なし)

PPIやミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回るなどすれば、FRBの利下げ観測は一段と後退しそうです。その場合には米ドル高材料となって、米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは軟調に推移しそうです。米ドル/カナダドルは、1.35813カナダドル(2/13高値)が目先の上値メドです。

本日はまた、バーFRB副議長(銀行監督担当)やバーキン・リッチモンド連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演する予定です。バー副議長らFOMCメンバーが講演でFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供すれば、材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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