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【PM】RBAは政策金利の据え置き決定、声明で豪ドルが上昇

2024/02/06 15:05

【ポイント】
RBAは「さらなる金利の上昇を排除できない」と表明。利上げバイアスは変わらず

RBA(豪中銀)は本日政策会合を開き、政策金利を4.35%に据え置くことを決定しました。据え置きは2会合連続です。

政策金利の据え置きは市場予想通りだったものの、RBAの会合の結果発表後に豪ドルが上昇しました。RBAの想定よりも早く豪州のインフレ率が鈍化したにもかかわらず(※)、声明で利上げバイアスに変化がないことが示されたためと考えられます。市場の利下げ観測は後退したとみられます。

(※)豪州の
2310-12月期のCPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比4.1%、トリム平均値が同4.2%。RBA11月時点の見通し(いずれも4.5%)を下振れました。

会合後に行われたブロックRBA総裁の会見は、それほどタカ派的な内容ではありませんでした。会見に対する豪ドルの反応は限定的でした。

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声明では、「豪州のインフレ率(
CPI上昇率)は2310-12月期に引き続き鈍化したが、4.1%は依然として高い」と指摘されました。また、「モノのインフレ率は11月時点のRBAの見通しを下回った」とする一方で、「サービスのインフレ率は鈍化のペースが緩やかだ」とし、豪州の経済が依然として需要超過の状態にあることなどと整合的だとの見解が示されました。

声明はまた、「妥当な期間内にインフレ率を目標に戻すことが、引き続き(RBA)理事会の最優先事項だ」と強調。「理事会は、インフレ率が持続的に目標レンジに向かうと確信する必要がある」としました。

「最近のデータはインフレが緩和していることを示しているものの、依然として高い」と指摘し、「インフレ率が持続的に目標レンジ内に戻るまでには、まだしばらく時間がかかる」と分析。「さらなる金利の上昇を排除できない」と表明し、追加利上げに含みを持たせました。

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ブロックRBA総裁は会合後の会見で、「インフレ率を押し下げるために、まだ少しやるべきことがある」「インフレが再び高まらないようにする必要がある」と述べました。

その一方で、「金融政策に関しては何事も排除しない」「金利をめぐるリスクはかなり均衡している」「われわれ(RBA)が求めているのは、インフレ率が目標に戻りつつあることを確信させるデータだ」「利下げを検討するには、インフレ率が2~3%の目標レンジの中間値(2.5%)に到達するとの確信が必要だ」と語りました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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