FOMC開催、その結果に市場が反応しそう
2024/01/31 08:40
【ポイント】
・FOMC声明やFRB議長会見で利下げ観測が後退するか
(欧米市場レビュー)
30日の欧米時間の外為市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は147.881円、ユーロ/円は160.279円、豪ドル/円は97.545円、NZドル/円は90.517円、カナダドル/円は110.191円へと上昇しました。欧州の主要株価指数や米国の株式市場でダウが堅調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)の動きが強まり、円の重石となりました。ダウは前日比133.86ドル高(0.35%)の38,467.31ドルで取引を終え、4営業日連続で史上最高値を更新。ドイツのDAXやフランスのCAC40も史上最高値をつけました。
米ドル/円に関しては、米国の23年12月のJOLTS(労働動態調査)で求人件数が902.6万件と、市場予想の875.0万件を上回ったことも、上昇要因となりました。
ユーロ圏やドイツ、フランスの10-12月期GDPが発表されました。ユーロ圏のGDPは市場予想を上回ったものの、市場に大きな反応はみられませんでした。
GDPの結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・ユーロ圏(前期比):0.0%(マイナス0.1%)
・ドイツ(同):マイナス0.3%(マイナス0.3%)
・フランス(同):0.0%(0.0%)
※GDPについては、本日31日の『ファンダメ・ポイント』[ECBの利下げは賃金動向次第か]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)に注目です。FOMCの結果は日本時間1日午前4時に発表され、4時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見します。
政策金利は、23年9月・11月・12月の3回連続で5.25~5.50%に据え置かれました。今回も据え置かれそうです。
FOMCの声明やパウエル議長の会見にも注目です。今年に入ってから市場では、3月のFOMCで利下げが行われるとの観測が後退。CMEのFedWatchツールによれば、市場が織り込む3月に利下げが行われる確率は、23年12月29日時点で9割近くありましたが、1月29日時点では5割弱へと低下しました。
声明やパウエル議長の会見を受け、市場の金融政策見通しがどう変化するか。利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下落すると考えられます。米ドル/円は148.763円(1/19高値)、米ドル/カナダドルは1.35372カナダドル(1/17高値)が上値メドです。
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ドイツの1月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます(日本時間22:00)。CPIの市場予想はEU(欧州連合)基準が前年比3.2%、国内基準が同3.0%と、上昇率はいずれも前月(それぞれ3.8%、3.7%)から鈍化するとみられています。CPIが市場予想を下回る結果になれば、ECB(欧州中銀)の利下げ観測が強まるとともに、ユーロに対して下押し圧力が加わる可能性があります。ユーロ/英ポンドは、0.84925ポンド(23/8/23安値)が目先の下値メドです。
※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、下落一服シグナルが出現]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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豪州の23年10-12月期のCPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間09:30。同時刻には、12月月次のCPIも発表)。物価の動向は、RBA(豪中銀)にとって重要な政策判断材料になるため、要注目です。
10-12月期CPIの市場予想は総合指数とトリム平均値のいずれも、前年比4.3%。RBAはコア指数としてトリム平均値を注視しています。市場予想からかい離する結果になれば、豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルが反応しそうです。
10-12月期CPIの結果は総合指数が前年比4.1%、トリム平均値が同4.2%と、いずれも市場予想を下回りました。CPIの結果発表後、豪ドルが弱含んでいます。【09:44 アップデート】
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