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ECBは夏に利下げ!? 

2024/01/26 07:43

【ポイント】
・3会合連続で現状維持を決定
・ラガルド総裁は夏の利下げを示唆
・ECBのけん制弱く、市場は4月利下げを見込む

ECBは25日の理事会で金融政策の現状維持を決定しました。現状維持は3会合連続。声明文は利下げがまだ先であることを示唆しました。また、ラガルド総裁は先週のダボスでの発言を繰り返し、夏の利下げの可能性を指摘しました。

それでも、市場に対するECBのけん制が弱かったのか、OIS(翌日物金利スワップ)は4月の利下げを9割以上の確率で織り込んでいます。4月10-11日の理事会までにECBが利下げを決断するような「経済データ」が出てくるのか、それとも市場の観測が修正されるのか、要注目でしょう。

ECB金融政策見通し

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ECB理事会の声明文では、利下げがまだ先であることを示唆する文言が維持されました。「政策金利の水準が十分に長い間維持されれば、(物価安定の)目標に大きく貢献すると考えている。理事会の判断によって、政策金利は必要なだけ長く十分に抑制的な水準に設定される」とのこと。

ラガルド総裁は17日に世界経済フォーラム開催中のダボスで、夏の利下げについて質問されて「その可能性は高いと思うが、データ次第なので明言できない」と述べました。理事会後の記者会見でもその発言を肯定しました。

ラガルド総裁

もっとも、ラガルド総裁は今回の会見で、ユーロ圏景気のリスクが下向きであること、基調的なインフレは鈍化傾向にあること、賃金の伸びが鈍化していることなどを指摘しました。そのため、市場は利下げが「夏」より前倒しになると判断したようです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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