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ユーロ/米ドルが5カ月ぶり高値、米ドル安はさらに進むか

2023/12/28 08:42

【ポイント】
FRBの利下げ観測から米ドル安圧力
・米経済指標の結果次第で米ドル安圧力はさらに強まる可能性も
・米国の長期金利が一段と低下するか

(欧米市場レビュー)

27日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は141.543円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.11174ドル、豪ドル/米ドルは0.68463米ドル、NZドル/米ドルは0.63443米ドルへと上昇。ユーロ/米ドルは7月27日以来、豪ドル/米ドルは7月14日以来、NZドル/米ドルは7月17日以来の高値をつけました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の低下や、12月リッチモンド連銀製造業景況指数がマイナス11と、市場予想のマイナス5を下回ったことが、米ドル安圧力となりました。

(本日の相場見通し)

本日、米国の新規失業保険申請件数(先週分)や住宅販売保留指数(11月)が発表されます。

市場予想は以下の通り。( )は前回の結果です。
・新規失業保険申請件数:21.0万件(20.5万件)
・住宅販売保留指数(前月比):プラス1.0%(マイナス1.5%)

FRB(米連邦準備制度理事会)は早ければ24年3月に利下げを開始するとの観測から、足もとで米ドル安圧力が加わっています。新規失業保険申請件数や住宅販売保留件数が市場予想よりも弱い結果になれば、米ドル安圧力は一段と強まるとともに、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは上昇するかもしれません。米ドル/は、140.949(12/14安値)が目先の下値メドです。

※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、重要な分水嶺(ぶんすいれい)に接近!]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも注目です。FRBの利下げ観測から米長期金利は低下傾向にあり、27日には一時3.78%と、7月下旬以来の低い水準をつけました。米長期金利がさらに低下すれば、米ドル安要因になる可能性があります。

年末・年始の外為市場は参加者が減少して流動性が低下します。小さな材料でも値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。

2024年の為替・株「大予想」が22日にリリースされています。ぜひご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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