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米ドル/円、再び150円の壁?+ご質問への回答

2023/11/23 07:54

【ポイント】
・22日、米ドル/円は150円に接近
・米経済指標の好調が背景
・米ドル/円との相関が戻った米長期金利は4.5%を超えるか
・ご質問:長期金利低下でハイテク株は上がりやすくなる?

22日の米ドル/円は先週17日以来となる150円に接近しました。NY時間に発表された先週分の米新規失業保険申請件数が市場予想以上に減少したこと、11月ミシガン大学消費者信頼感指数(改定値)が上振れしたことなどが背景でした。

11月に入って米長期金利(10年物国債利回り)が大幅に低下し、米ドル/円との連動性を取り戻したようにみえます。4-9月の期間で回帰分析した結果を用いた米ドル/円の推計値と実績値はほぼ等しくなっています。

米ドル円の推計

米ドル円の推計

同じ推計式を用いて逆算すると、長期金利が4.50%を超えれば、米ドル/円は150円台を維持すると試算できます。22日時点の長期金利は4.40%でした。今後も長期金利の動向が米ドル/円の重要なカギを握りそうです。

なお、本日23日、米国は感謝祭(サンクスギビングデー)で休場。週末にかけても市場参加者の少ない、流動性の低い相場状況が想定されます。

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【M2TVグローバルView(YouTube)】のご質問への回答
11月17日のグローバルView「米ドル/円の行方 米経済と金融政策の再評価」に以下のようなご質問をいただきました。

来年は米長期金利が下がる予測ということはハイテク銘柄が上がりやすいということでしょうか。

米景気が現在より減速傾向を強めてインフレ圧力が低下すれば、利下げが実施されるでしょう。また、利下げ観測が高まれば長期金利も低下しそうです。長期金利が低下すれば、益回り(=株価収益率PERの逆数)の低い企業(ここではハイテク企業)にとってバリュエーション(評価)面で有利になります。

もっとも、バリュエーション面で有利ということと株価が上がることは必ずしも一致しません。景気が後退するなどして収益が大幅に悪化すれば、株価は下落するかもしれません(ハイテク銘柄の多くは景気敏感株です)。他の銘柄に比べて相対的に有利になったとしても絶対的な水準(=株価)は下がる・・というケースも十分にありえるでしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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