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メキシコペソ:メキシコ中銀会合、政策金利は据え置きへ

2023/11/09 08:43

【ポイント】
・FRB当局者の講演で米金融政策について新たな手掛かりが提供されるか
・米ドル/円の上昇への本邦当局の反応
・メキシコ中銀の声明で利下げ観測が後退するか

(欧米市場レビュー)

8日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は151.019円、米ドル/カナダドルは1.38094カナダドルへと上昇し、英ポンド/米ドルは1.22380ドル、豪ドル/米ドルは0.63975米ドルへと下落しました。新たな米ドル買い材料は特に見当たらず、ポジション調整が中心と考えられます。

パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は会合で開会のあいさつし、ウィリアムズNY連銀総裁は講演を行いましたが、いずれもFRBの金融政策や米経済について言及しませんでした。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表されます(日本時間22:30)。新規失業保険申請件数の市場予想は21.8万件と、前回の21.7万件から若干増加するとみられています。市場予想以上に増加すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上値を試す展開になる可能性があります。

本日はまた、FRB(米連邦準備制度理事会)当局者の発言機会が多くあります。パウエルFRB議長やバーキン・リッチモンド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、ペース・セントルイス連銀総裁代理が講演します。パウエル議長らがFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供すれば、市場が反応しそうです。

米ドル/円については、本邦当局の反応に注目です。神田財務官は1日、米ドル/円が151円台へと上昇するなかで、「一方的で急激な動きを懸念」「足もとの動きで一番大きいのは投機」「より高い緊張感の状況になっている」「過度な変動に対しては、あらゆる手段を排除せず適切に行動する」「(為替介入を含めて)スタンバイ」などと述べました。鈴木財務相や神田財務官が円安(米ドル/円の上昇)を強くけん制すれば、日本政府・日銀による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感が市場で高まって米ドル/円は下落しそうです。

***

本日、BOM(メキシコ中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は、日本時間10日午前4時に発表されます。

BOMは前回9月まで4会合連続で政策金利を据え置いており、現在の政策金利は11.25%です。メキシコの9月CPI(消費者物価指数)は前年比4.45%と、BOMのインフレ目標(3%。2~4%が許容レンジ)を引き続き上回ったものの、上昇率は8月の4.64%から鈍化しました(10月分は本日発表)。政策金利は今回も据え置かれそうです。

BOMの声明にも注目です。前回9月の会合時の声明では、「政策金利現在の水準に長期間維持する必要がある」との見方が示され、また5人の政策メンバー全員一致で政策金利が据え置かれました。市場では“BOMの次の一手は利下げになる”との見方があります。声明でBOMの金融政策スタンスに変化がないことが示唆されれば、利下げ観測が市場で後退するとともに、メキシコペソが堅調に推移しそうです。

※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、もう一段の上値トライとなるかをご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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