マネースクエア マーケット情報

米ドル/円が150円に再び接近

2023/10/02 08:43

【ポイント】
・米ISM製造業景況指数が市場予想を上回れば、米ドルが堅調に推移しそう
・米ドル/円の上昇に対する本邦当局の対応

(欧米市場レビュー)

9月29日の欧米時間の外為市場では、カナダドルが軟調に推移。一時、米ドル/カナダドルは1.35793カナダドルへと上昇し、カナダドル/円は109.997円へと下落しました。カナダの7月GDP(国内総生産)が前月比0.0%と、市場予想の0.1%を下回ったことが、カナダドルに対する下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

米国の議会が9月30日に継続予算を可決し、その後バイデン大統領が予算案に署名したことで、シャットダウン(政府機能の一部停止)は回避されました。このことが市場で好感されれば、米ドルの支援材料になる可能性があります。

※シャットダウンの回避について詳しくは、本日の『ファンダメ・ポイント』[米PCEとシャットダウン回避、UAW]をご覧ください。

米国の9月ISM製造業景況指数が本日発表されます(日本時間23:00)。ISM製造業景況指数の市場予想は47.7と、製造業景況判断の分かれ目である50は引き続き下回るものの、8月の47.6からやや改善するとみられています。市場予想を上回る結果になれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しそうです。米ドル/カナダドルの上値メドとして、1.36891カナダドル(9/7高値)が挙げられます。

米ドル/円が150円に接近するなか、本邦当局の対応に注目です。鈴木財務相は9月29日、米ドル/円について「防衛ラインみたいなものがあって、それを超えたらどうするということはない」「変動に着目している」と述べ、「だいぶ円安が進んでいる感はあるが、緊張感を持っている」「急激な変動にはあらゆる手段を排除せず、適切に対応する」と語りました。

鈴木財務相や神田財務官が円安(米ドル/円の上昇)をけん制するトーンを強めれば、政府・日銀による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感が市場で強まる可能性があります。その場合、米ドル/円はいったん下落しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ