米長期金利や主要国株価に注目、豪ドルはCPIが材料になりそう
2023/09/27 08:22
【ポイント】
・米長期金利は一段と上昇するか
・主要国の株価が軟調に推移すればリスクオフが強まる可能性も
・円安に対する本邦当局の反応
・豪CPIでRBA(豪中銀)の利上げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
26日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。米ドル/円は一時149.140円へと上昇し、22年10月以来、11カ月ぶりの高値を更新。米ドル/カナダドルは1.35227カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.05569ドル、英ポンド/米ドルは1.22136ドル、豪ドル/米ドルは0.63876米ドルへと下落する場面がありました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の上昇が米ドル高材料となりました。
(本日の相場見通し)
米国の長期金利(10年物国債利回り)は26日、一時4.56%へと上昇。07年10月以来、約16年ぶりの高い水準をつけました。FRB(米連邦準備理事会)が政策金利を高い水準に長期間維持するとの観測が米長期金利の上昇要因となりました。
本日は引き続き米長期金利の動向に注目です。米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下値を試す展開になりそう。ユーロ/米ドルは、1.05089ドル(3/15安値)が目先の下値メドです。
米国など主要国の株価動向にも目を向ける必要がありそうです。高水準にある米長期金利が下押し圧力となり、26日の米株式市場では主要3株価指数が総じて下落。ダウは前日比388.00ドル(1.14%)安の33,618.88で取引を終え、ナスダックは同207.71ポイント(1.57%)安、S&P500は同63.91ポイント(1.47%)下落しました。主要国の株価が軟調に推移すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、米ドルや円の支援材料になる可能性があります。
円安(米ドル/円の上昇)に対する本邦当局の反応に引き続き注目です。鈴木財務相は26日、為替について「過度な変動は好ましくない」「高い緊張感を持って見ている」「過度な変動には、あらゆる選択肢を排除せず、適正な対応を取っていく」と語りました。政府・日銀による為替介入(米ドル売り/円買い介入)への警戒感が市場で高まる場合、米ドル/円はいったん下落しそうです。
***
豪州の8月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間10:30)。CPIの市場予想は前年比5.2%と、上昇率は7月の4.9%から高まるとみられています。
RBA(豪中銀)は、7月・8月・9月の3会合連続で政策金利を4.10%に据え置いたものの、市場ではあと1回利上げするとの見方が有力です。
月次のCPIがカバーする品目は四半期のCPIの3分の2程度であり、また22年から公表が始まった新しい統計です。これらを考慮する必要はありますが、CPIが市場予想を上回る結果になれば、利上げ観測が強まる可能性があります。その場合には豪ドルが堅調に推移して、豪ドル/円や豪ドル/NZドルは上昇しそうです。豪ドル/円の目先の上値メドとして、96.015円(9/20高値)が挙げられます。
※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、下値しっかりの相場付きとなりそう]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。