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日銀とCPI、UAW、米予算

2023/09/25 07:45

【ポイント】
・日本のCPIはやや強め、それでも日銀は緩和継続
・UAWは2社に対するストライキを拡大
・継続予算の審議難航でシャットダウンの可能性残る

日銀とCPI
日本の8月CPI(消費者物価指数)は前年比3.2%と、前月の3.3%から鈍化したものの、市場予想の3.0%を上回りました。生鮮食品を除くコアは3.1%、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアは4.3%と、いずれも前月から横ばいでした。食料とエネルギーを除く欧米流コアは2.7%と、前月と同じでした。

主要国CPI

CPIの各指標が2%超となっているにも関わらず、22日の金融政策決定会合後の会見で植田日銀総裁は「基調的なインフレは2%に達していない」との見方を堅持し、金融緩和を継続する意向を示しました。また、植田総裁は、年内にマイナス金利解除のための材料がそろう可能性に言及した9日付けの新聞インタビューについて、「マイナス金利解除への距離感がすごく動いたから、あのように申し上げたわけではない」と説明しました。

植田総裁の会見では、為替相場にはあまり触れられず、円安の進行をけん制することもなかったようです。

UAWはストライキを拡大
UAW(全米自動車労組)は22日、GMとステランティスに対するストライキを全部品工場へと拡大しました。当初の1万2,700人に加えて5,600人がストライキに加わりました。フォードに対しては交渉に進展があったとして、15日から続いているミシガン工場に対するストライキのみとしました。バイデン大統領は26日にミシガン州を訪問してUAWへのサポートを表明する予定。トランプ前大統領も27日に同州を訪問する予定です。

継続予算の審議は難航中
10月1日に始まる24年度の予算が成立していません。マッカーシー下院議長(共和党)は短期の継続予算を成立させようとしていますが、財政赤字削減を求める党内の保守強硬派が抵抗しているためです。民主党が過半数を握る上院でも独自の継続予算を準備しています。ただし、上院と下院が同じ継続予算を可決する必要があるため、9月30日までに継続予算が成立するかどうかは微妙なところ。短期間のシャットダウン(政府機能の一部停止)の可能性は高まっています。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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