カナダCPIに注目! カナダドルが反応しそう
2023/09/19 08:50
【ポイント】
・カナダCPIで市場のBOCの金融政策見通しが変化するか
・本邦当局による円安けん制のトーンが強まるか
(欧米市場レビュー)
18日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は147.559円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.06940ドル、豪ドル/米ドルは0.64449米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。
カナダドルは堅調。一時、米ドル/カナダドルは1.34712カナダドルへと下落し、カナダドル/円は109.580円へと上昇。米ドル/カナダドルは約1カ月ぶりの安値をつけ、カナダドル/円は約11カ月ぶりの高値を記録しました。原油価格の上昇がカナダドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、カナダの8月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。CPIの総合指数の市場予想は前年比3.8%と、上昇率は7月の3.3%から高まり、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標(2%を中心に2~3%のレンジ)から遠ざかるとみられています。また、BOCはCPIにおいて、総合指数とともにトリム値と中央値も重視しており、これらの結果にも注目です。7月のトリム値は前年比3.6%、中央値は同3.7%でした(8月の市場予想なし)。
BOCは前回9月6日の政策会合で政策金利を5.00%に据え置いたものの、「基調的なインフレ圧力が持続することを引き続き懸念している」とし、「必要なら政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明しました。一方、市場ではBOCの利上げサイクルは終了したとの観測もあります。
総合指数が市場予想を上回るなど、カナダのCPIが利上げサイクル終了との市場の観測を後退させる結果になれば、カナダドルが堅調に推移しそうです。米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でカナダドル/円は上値を試す可能性があります。カナダドル/円は、110.461円(22年9月高値)が上値メドです。
※カナダドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[カナダドル/円、約1年ぶりの高値示現となるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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米国の8月住宅着工件数と8月建設許可件数が本日発表されます(いずれも日本時間21:30)。市場予想は住宅着工件数と建設許可件数のいずれも、年率144.0万件です。これらが市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。
米ドル/円は15日に一時147.938円へと上昇し、22年11月以来、約10カ月ぶりの高値をつけました。対米ドルで円安が進むなか、本邦当局の反応に注目です。鈴木財務相や神田財務官による円安(米ドル/円の上昇)をけん制するトーンが強まれば、米ドル/円はいったん下落しそうです。
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