宮田エリオット波動レポート(マンスリー・フォーカス) ※8月31日更新
2022/08/31 12:16
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【金価格】
歴史的天井を付け、長期ベアマーケットが進行中。2023年10月頃にかけて1500ドル割れの場面があるかもしれません。
【WTI原油先物価格】
3月高値から第(2)波調整が進行中、想定レンジは85.41-62.43ドル。長期上昇トレンドという見方には変更ありません。
[金価格]

歴史的天井を示現、ベアマーケットに入った金価格
今年2月以来、半年ぶりに金価格のアップデートを行いましょう。
結論から書きますと、金価格は長期的なダブル・トップを形成し、歴史的な天井を付けた可能性が高いでしょう。今年3月からは長期的なベアマーケット(弱気相場)が進行中とみられます。
エリオット波動の観点からは、2015年末安値(1046ドル)を起点とするプライマリー級の上昇トレンド(第➄波)が、今年3月に付けた高値(2070ドル)を以て終わったという解釈です。この第➄波高値は20年に付けた最高値(2075ドル)にわずかに届かない「フェイラー」でした。
当面のリバウンドを経て下落基調再開へ
なお今年3月高値(2070ドル)から7月安値(1680ドル)まで、金価格は19%近く下げていますが、この4カ月半の下落は5波動構成となっています。それは差し当たり(A)波とカウントでき(注)、7月からは(B)波のリバウンド局面が進行中とみることができます。
(B)波は三波構成(A-B-C)となるわけですが、そのうち足元でB波が終わりつつあるとみられます。この見方に基づくと、今後1~3カ月はC波の上昇となりそうです。それを以て(B)波は完成することになるでしょう。
リバウンドの想定レンジは、(A)波の下げ幅に対する38.2%-61.8%戻り水準(1829-1921ドル)が有力です。
とりわけ50%戻り水準(1875ドル)は、(A)波の第4波高値(1878ドル)にほぼ合致しており、(B)波の落ち着きどころとして相応しいとみています。
2023年10月までに1500ドル割れも?!
(B)波の後には(C)波の下落トレンドが続くとみられ、それは先々で1451ドルを目指すのではないでしょうか。1451ドルというのは20年3月に付けた安値ですが、それはレッサー・ディグリー4波安値に相当します。
金価格には、およそ30カ月程度の周期で安値を付ける傾向が確認されています。21年3月(安値1676ドル)以来の現行30カ月サイクルは23年10月頃に終わる見込みですが、この頃にかけて金価格は1500ドルを下回る場面があるかもしれません。
(注) 3月から7月までの5波動の下げを第(1)波、その後のリバウンドを第(2)波とラベリングすることも可能です。

[WTI原油先物価格]

2年間の強気相場の後に訪れた調整局面
WTI原油先物価格(以下WTI)は、20年4月からのインターミディエイト級の上昇第(1)波を今年3月高値(130.50ドル)で完成しました。およそ2年間の強気相場を走り終えたWTIは現在、インターミディエイト級の第(2)波の調整局面をやっているところです。
8月16日には一時85.73ドルまで下げ、ロシアのウクライナ侵攻開始(2月24日)より前の、1月下旬以来の低水準となりました。
エリオット波動に基づくと、第(2)波の下値として適当なのは、第(1)波中第4波(レッサー・ディグリー第4波)が動いた領域、すなわち[85.41―62.43ドル]です。3月高値から8月安値までWTIは34%超の下げとなり、想定レンジ上限に肉薄しましたが、依然下落余地は残っています。
長期上昇トレンドという見方に変更なし
一方、長期的な上昇トレンドという見方に変更はありません。
今回の第(2)波の調整を終えた後は、インターミディエイト級第(3)波の強気局面入りが予想されます。
この第(3)波によりWTIは、08年の過去最高値・147.27ドルを超える可能性が高いでしょう。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
【金価格】
歴史的天井を付け、長期ベアマーケットが進行中。2023年10月頃にかけて1500ドル割れの場面があるかもしれません。
【WTI原油先物価格】
3月高値から第(2)波調整が進行中、想定レンジは85.41-62.43ドル。長期上昇トレンドという見方には変更ありません。
[金価格]

歴史的天井を示現、ベアマーケットに入った金価格
今年2月以来、半年ぶりに金価格のアップデートを行いましょう。
結論から書きますと、金価格は長期的なダブル・トップを形成し、歴史的な天井を付けた可能性が高いでしょう。今年3月からは長期的なベアマーケット(弱気相場)が進行中とみられます。
エリオット波動の観点からは、2015年末安値(1046ドル)を起点とするプライマリー級の上昇トレンド(第➄波)が、今年3月に付けた高値(2070ドル)を以て終わったという解釈です。この第➄波高値は20年に付けた最高値(2075ドル)にわずかに届かない「フェイラー」でした。
当面のリバウンドを経て下落基調再開へ
なお今年3月高値(2070ドル)から7月安値(1680ドル)まで、金価格は19%近く下げていますが、この4カ月半の下落は5波動構成となっています。それは差し当たり(A)波とカウントでき(注)、7月からは(B)波のリバウンド局面が進行中とみることができます。
(B)波は三波構成(A-B-C)となるわけですが、そのうち足元でB波が終わりつつあるとみられます。この見方に基づくと、今後1~3カ月はC波の上昇となりそうです。それを以て(B)波は完成することになるでしょう。
リバウンドの想定レンジは、(A)波の下げ幅に対する38.2%-61.8%戻り水準(1829-1921ドル)が有力です。
とりわけ50%戻り水準(1875ドル)は、(A)波の第4波高値(1878ドル)にほぼ合致しており、(B)波の落ち着きどころとして相応しいとみています。
2023年10月までに1500ドル割れも?!
(B)波の後には(C)波の下落トレンドが続くとみられ、それは先々で1451ドルを目指すのではないでしょうか。1451ドルというのは20年3月に付けた安値ですが、それはレッサー・ディグリー4波安値に相当します。
金価格には、およそ30カ月程度の周期で安値を付ける傾向が確認されています。21年3月(安値1676ドル)以来の現行30カ月サイクルは23年10月頃に終わる見込みですが、この頃にかけて金価格は1500ドルを下回る場面があるかもしれません。
(注) 3月から7月までの5波動の下げを第(1)波、その後のリバウンドを第(2)波とラベリングすることも可能です。

[WTI原油先物価格]

2年間の強気相場の後に訪れた調整局面
WTI原油先物価格(以下WTI)は、20年4月からのインターミディエイト級の上昇第(1)波を今年3月高値(130.50ドル)で完成しました。およそ2年間の強気相場を走り終えたWTIは現在、インターミディエイト級の第(2)波の調整局面をやっているところです。
8月16日には一時85.73ドルまで下げ、ロシアのウクライナ侵攻開始(2月24日)より前の、1月下旬以来の低水準となりました。
エリオット波動に基づくと、第(2)波の下値として適当なのは、第(1)波中第4波(レッサー・ディグリー第4波)が動いた領域、すなわち[85.41―62.43ドル]です。3月高値から8月安値までWTIは34%超の下げとなり、想定レンジ上限に肉薄しましたが、依然下落余地は残っています。
長期上昇トレンドという見方に変更なし
一方、長期的な上昇トレンドという見方に変更はありません。
今回の第(2)波の調整を終えた後は、インターミディエイト級第(3)波の強気局面入りが予想されます。
この第(3)波によりWTIは、08年の過去最高値・147.27ドルを超える可能性が高いでしょう。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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