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エリオット波動・宮田レポート(マンスリー・フォーカス) ※7月28日更新

2022/07/28 11:34

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【ユーロ/米ドル】
かねてより予想していた通り、今月のユーロ/米ドルはパリティ(1ユーロ=1ドル)を一時割れました。今後の下値ターゲットとして0.98967ドル付近が注目されます。もっとも21年からのユーロ安は終盤戦にあるとみられ、底入れ後はスケールの大きなリバウンドとなりそうです。

[ユーロ/米ドル]
1年1カ月前の見通し
ユーロ/米ドルについては、エリオット波動に基づく長期の見通しを、1年1カ月前にリリースした本レポートNo.8 (21年6月30日発行)にてご紹介しています。

そのときの筆者の見解は、ユーロ/米ドルは08年7月高値(1.60370ドル)を起点に「ダブル・ジグザグ」で下げていく展開を想定し、23年頃までにパリティ(1ユーロ=1ドル)を下回る可能性がある(注)、というものでした。

(↓当時掲載のチャート)

注 ほとんどの人が覚えていないでしょうが、当時は筆者のようにパリティ割れを見込むユーロ弱気派はほぼ皆無でした。一方、ユーロ/米ドルの強気を唱える市場関係者は多かったのです。

予想していたパリティ割れを示現!
7月13日、ユーロ/米ドルは02年12月以来およそ20年ぶりにパリティ割れとなり、翌14日には一時0.99500ドルを付けました。ここに、筆者による1年1カ月前の予測は現実のものとなりました。

ユーロ安は終盤戦に
さて今回のパリティ割れを以てユーロ/米ドル安基調が終わるかは、まだ微妙なところでしょう。詳細は省きますが、ここから1.03532ドル(6/14)を明確に上回らない限りは、ユーロ/米ドルの下値模索はもう少し続くと考えています。

もっとも、21年初からのユーロ安・C波は終盤戦にある、とはいえます。C波のターゲットとして、[0.98967ドル]付近に注目しています。

[0.98967ドル]…ユーロ発足後最安値・0.82250ドル(2000年10月26日)から、08年高値(1.60370ドル)までのユーロ高に対し78.6%押しとなる水準のことです。78.6%は0.618の平方根です(√0.618=0.786)。

一方、1.03532ドルをクリアするようなら、08年からこれまで長く続いてきたダブル・ジグザグが、ついに完成した可能性を考慮する必要があるでしょう。ひとたびユーロ/米ドル底入れの暁には、1.12500~1.15600ドルへ向けた規模の大きなリバウンドに発展していくことでしょう。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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