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ポーランド中銀は物価見通しを上方修正、ズロチは米国中間選挙を受けて上昇

2026/11/05 07:00

【ポイント】
・物価見通し上方修正も金融政策方針は変化なし
・米中間選挙の結果を受けて新興国通貨・株式が上昇
・ポーランドの政治情勢には要注意

NBP(ポーランド国立銀行=中銀)は3-4日の政策会合で政策金利を3.75%に据え置く決定をしました(結果判明は日本時間4日22:56)。政策会合前から下落していたユーロ/ズロチは物価見通しの上方修正などから上昇(ズロチ安)で反応しましたが、すぐに下落基調に戻りました。ユーロ/ズロチの下落(ズロチ高)は、米国中間選挙での民主党勝利を受けて地政学リスクが後退したとの思惑から新興国の通貨や株式が全般に上昇した流れに乗ったものでしょう。

NBPは物価見通しを上方修正
NBPは今年3月に利下げを行って以降、政策金利を据え置いています。7月に続いて公表された経済見通しでは、26-28年の物価見通しが全般に上方修正されました。同じくGDP見通しは27-28年が小幅に上方修正されました。

NBP経済見通し

声明文は前回10月分と同一でした。最後に、「マクロ経済と金融の安定を確かにするために、とりわけインフレを中期の目標と整合的な水準にあることを確かにするために、必要な行動をとり続ける」とされました。ただ、前々回9月分では、下線部が「インフレを中期の目標と整合的な水準に維持するために」でした。それだけインフレへの警戒を強めているのでしょう。にもかかわらず「据え置き」だったことが反射的なズロチ売りにつながったのかもしれません(一瞬だけでしたが)。

ズロチ安の主因は政治リスク!?
ユーロ/ズロチは11月3日に4.42318ズロチと、約3年ぶりの高値をつけました。背景には中銀の独立性と政治のリスクがあります。

喫緊の問題が、政治的介入の疑いで与党連合がNBPのグラピンスキ総裁の職務停止を採決する見通しであること。23年の議会選挙前にインフレ率が高いにもかかわらず、グラピンスキ総裁が与党支援のために利下げを主導したとの疑惑があります(結局、政権交代が起きて当時野党だった市民プラットフォームのトゥスク首相が誕生)。

他にも、コロナ危機時に国債を購入して財政ファイナンスを行った、欧州懐疑派の大統領と手を組んで国防費を賄うために中銀の金売却を提案した(トゥスク首相はEUからの低利融資を支持)、などと告発されているようです。

また、トゥスク首相と野党が支持するナブロツキ大統領の対立が先鋭化しているようです。グラピンスキ総裁は大統領派とのこと。今後も、ポーランドの政治情勢には要注意でしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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